2007年 F1 イギリスGP

予選は素晴らしい戦いでした。4強が最後の最後でタイム応酬、かなり見ごたえがありました。その中で最終的にハミルトンが唯一19秒台でPP獲得したときのスタンドの大歓声は、80年代後半~90年代前半のナイジェル・マンセル全盛期の頃を思い出しました。ヒルやクルサード、バトンなどイギリス系ドライバーが活躍していたF1ですが、今回の盛り上がりは何れのドライバーも経験した事が無かったような状況だったのではないでしょうか。
またそれだけのプレッシャーを受けながら、しっかりと予選で結果を残すハミルトンに、予選をテレビで見ながら思わず感嘆の声が漏れてしまうくらいでした。
ただ予選ではライコネンが最終コーナー立ち上がりで若干コースアウトしタイムをロスしていましたので、コレがなければPP争いはどうなっていたか分からなかったので、決勝は2強の戦いとハミルトンの結果に興味津々でした。

決勝はハミルトンが1位を守ったものの、ペースが上がらずライコネンの防戦一方といった感じでした。結果最初のピットインでライコネン・アロンソに先行を許し、そのまま3位でチェッカー。母国デビュー戦で初優勝はなりませんでしたが、連続表彰台記録は継続中ですし、アロンソとのポイント差も2点縮まっただけですので、チャンピオンシップを考えれば、この結果は順当だったと思います。勿論本人は勝ちたかったと思いますが、フェラーリの速さとアロンソのレース組み立てが一枚上手だったと思います。
アロンソの方は2スティント目を軽くするという作戦変更に出たようで、ライコネンの前に出て中盤はトップ走行でしたが、差を広げる事ができずに2度目のピットイン。その後軽くなったライコネンが1秒以上速いペースで走り続け、この時点で勝負ありといった感じでした。チェッカー後の表情は勝てなかった悔しさよりも、このレースでハミルトンを上回ってポイント差を詰められたという満足感が強かったのか、笑顔が多く見られたのが印象的でした。

さて今回のフェラーリですが、マニクールとシルバーストーンといったフラットレイアウトなコースでは、素晴らしい速さを見せましたね。ライコネンがPPを取って1コーナーをトップで通過していたら、恐らく独走一人旅といったレースになっていたと思いますし、FL後のマッサのトラブルがなければ、レースペースから考えても、十分ワンツー(しかも2台別世界的な)を飾っていたと思われます。特にマッサのオーバーテイクショーは見ごたえがありましたね。最後はクビサを抜けませんでしたが、それでも5位は十分リカバリーした結果だったと思います。なので、今回は見た目以上にフェラーリが圧倒的にマクラーレンを凌駕したといっても良いと思います。
フェラーリは風洞施設のトラブルで2週間開発が止まっていたとのことですので、マクラーレンに少し水をあけられていた感じですが、急激に開発ペースを上げてきて追いついてきた感じがあります。しかしフェラーリの現在のウィークポイントである、縁石を超えるような走りを要求されるコースでの走りがどうか。カナダなどモロにそういったコースでしたが、非常に安定して走れるマクラーレンに完敗でしたので。次戦ニュルブルクリンクでは、またそういったラインが要求されるコースなので、この2連戦のようにはいかないかと思われます。逆にここでもマクラーレンと対等なタイム・走りを見せれば、ますます後半戦は大混戦になっていくと予想されます。次戦が非常に見ものです。

さてSAF1は今回も見所が殆ど無かったといってもいいくらい、低迷しました・・。やはりシルバーストーンでの合同テストに参加しなかったのが痛かったと思います。ホンダとのヘレステストに付き合った(付き合わされた?)のが理由ですが、フリーから終始セットアップが決まらなかったようですね。今回デヴィッドソンが地元GPだけに調子はまだ良かった感じですが、決勝では原因不明のフロアが路面に擦れるというトラブルに見舞われ、ピットで修復を試みるも再度出走して諦めてリタイアしたようでした。母国GPだけに完走して欲しかったですが、残念です。
琢磨はもうフリーではクルマが全く走らなかったようですね。原因が掴めなかったようで、Tカーに変更したのですが、セッティングもまともに施されていないマシンだったようで、ファーストスティントでは最悪だったみたいですね・・。ピットイン時にウィングの調整を施して大分マシになったみたいですが、終始最後尾付近を走っていたような感じでしたので、去年を思い出すような感じでした・・。琢磨の話では新調したフロアがどうも原因ではないか?と思っているようですが、フィーリングがそれほど悪くないのにタイムが出ないという原因が掴めず、とにかく次戦までにその辺りの原因究明をしなければいけませんね。琢磨はマシン開発の能力はかなり高いと思われますが、マシンの悪い部分が見えてこないというのは結構深刻だと思いますし、何とか改善してもらいたいと思います。トロ・ロッソも戦闘力を急激に上げてきていますし、2強を除いた中段グループはスパイカーを除いた大接戦となっています。ここが踏ん張りどころだと思いますので、資金不足の中なんとか乗り切って欲しいですね。

もちろん、マニクールとシルバーストーンのコースはSAF1に合わないだろう、と予想されていたようなので、次戦ニュルで頑張ってもらいたいです。

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