2014年 F1 アメリカGP

北米ラウンドは何時も辛いですね。朝5時スタートなので、逆に早めに寝て早起きするイメージくらいという感じですから、逆に深夜2時スタートとかよりはマシかも。それでも眠い目をこすって見てた方も多いかと思いますが(笑)、今回予選から好調?だったロズベルグがPPを獲得したものの、結局ハミルトンに負けての2位。
チャンピオン争いは数字上でも完全にメルセデスドライバーの2人に絞られました。首位ハミルトンとロズベルグのポイント差が24ポイントなので、次戦では決まらず最終戦での決着という形もこれで決定となったようですね。
去年までなら最終戦までに25ポイント以上の差をつければ、という事でしたので、現時点で24ポイント差という事であれば、次のブラジルでハミルトンがポイント圏内かつロズベルグの前でフィニッシュすればチャンプ確定になっていたはずです(優勝回数もロズベルグ4回に対しハミルトン10回なので)。
しかし今年からは最終戦のみ「更に倍(笑)」のダブルポイント制になりましたので、アブダビGPでは最大で50ポイント差をひっくり返す可能性があるため、ブラジルではチャンプが決まらない事が数字上でも確定しております。

予想外のアクシデントや信頼性の問題が無ければ、ブラジルGPでも恐らくメルセデスのワンツーは確実でしょうから、もしハミルトンが優勝、ロズベルグ2位なら、31ポイント差になる形です。
これだと最終戦でどうなるか、というと、
1.ブラジルGPでハミルトン1位、ロズベルグ2位だった場合...
・ロズベルグ優勝の場合、ハミルトンは5位以上でチャンプ確定。
となりますね。
また、ブラジルGPでロズベルグが優勝、ハミルトンが2位だった場合は、ポイント差が17ポイントになりますので、この場合最終戦でどうなるか、というと、
2.ブラジルGPでロズベルグ1位、ハミルトン2位だった場合...
・ロズベルグ優勝の場合、ハミルトンは2位でチャンプ確定。
これを見ると、ロズベルグは基本的に2連勝してもハミルトンは堅実に2位狙いでOKという形です。
言い換えれば、残り2戦は無理に勝ちを狙いにいく必要は既に無いという形ですね。
まあこれはメルセデス勢が残り2戦を全てワンツーでフィニッシュすればという仮定ですので、万が一何かが起これば状況は大きく変わってしまうということです。
もしブラジルGPでハミルトン優勝、ロズベルグがリタイアしたとして、ポイント差は49ポイントまで開きますが、最終戦でロズベルグ優勝でハミルトンがリタイアなんて事になったとしたら、チャンプはロズベルグのほうに転がり込んできます。たった1ポイント差で。
正直こうなって欲しくはないかな、というのは個人的に思いますが・・。
ロズベルグ2回、ハミルトンが3回、ノーポイントレースが今年はありましたが、優勝はロズベルグ4勝に対してハミルトンは10勝。数字だけ見ても今年はハミルトンがチャンプになるべき年だと思います。個人的には初王座を得たドライバーを見るのが何時も感動的なので、ロズベルグに頑張ってもらいたいなと思いますが、流石に今年はもはやロズベルグがチャンプに相応しいかといえば、難しいなあというのが正直という感じで。ブラジルとアブダビを2連勝、力でハミルトンをねじ伏せて勝ったとして得たという形ならまだ良いのですが、今回のアメリカGPでPPスタートから勝てなかったというのは大きなマイナスポイントかなあと思ったりします・・。
勿論2連勝してもハミルトンが2位を続ければハミルトンがチャンプなのですが。
色んな見方があるかと思いますが、残り2戦はこのような数字の状況となっています。その辺りを把握しながら観戦するのも面白いかと思います。
お次は下位チームの状況について。
今回ケータハムとマルシャが欠場という事になりました。ケータハムは事前の報道通り、可夢偉の状況を見ても時間の問題だったという感じでしたが、マルシャまでも管財人の手にチームが渡り出走できなくなったというのは少々驚きでした。これが今のF1の現状なのでしょうね。
ロータス、ザウバー、フォースインディアが将来の分配金増額についての話し合いを持ったという事で、受け入れられなければアメリカGPボイコットも有り得るという事で緊迫した状態だったようですが、結果的には出走し事なきを得た形です。ただし解決した訳でも何でもなく、ただ問題を先送りにしたに過ぎません。
上位チームに関しては、この問題に賛成という事ではないようです。自分たちの取り分が少なくなるのですから当然といえば当然なのでしょうが、今はそういう状況でも無いような気がします。
それなら分配金の元となる「収入」をもっと大きく(すなわち開催料やテレビ放映権料などを高くする)すれば良いのでは、という話も聞こえてきてますが、そうなればどんどん開催地が偏るだけですし、チケットを売っても赤字の国はどんどん開催を止めていく方向に進むでしょう。
20~25年前に比べ年間予算が4~6倍レベルで膨れ上がってます。100万円が500万円になったというレベルならまだしも、数百億レベルの巨額な予算を使うまでになってしまったF1をどうコントロールするか、というところにまで来ているんじゃないかなと思います。ペイドライバーが2~30億も持ち込む時代、それがチームの活動費にどれだけ影響があるかを考えれば、20億超の資金を持つ可夢偉の同僚であるエリクソンが「前金でザウバーに資金を与えた」ということで2015年シートを獲得したことからも分かるかと思います。
しかしこのようなF1は既に異常な世界になりつつあります。
1990年だったか、右腕切断の事故にあったナニーニの代役として星野一義選手にオファーがあったときの金額は2000万円だったと聞きますし、このような「持ち込み」というのは何も今に始まった事ではありません。
ただ、それが少々度が過ぎてきているんですよね。数千万レベルではチームにとって、もはや焼け石に水といったレベルにまでコストが高くなりすぎているのが問題でもあるでしょう。
今の日本で、F1参戦する為に20億も集めるなんて至難の業、というか不可能でしょう。
ただ、以前にも話題にあがったパジェットキャップ制(予算管理)を行なうのは、正直難しいんじゃないかとも感じます。誰がお金を管理し、どこで使ったのかを全て管理するなんて、素人考えでも「不可能」だと思います。
現状では新規チームや中堅チームなど、所謂「非メーカーチーム」が生き残るのは相当厳しいでしょう。レッドブルは非メーカーチームなので、ある意味プライベーターチームですが、レッドブルという潤沢な資金を注ぎ込み、それで今の状況まで来たので、これもやはり相当な資本が無ければ到底成しえなかった状況でしょう。
現状としては、
中堅チームや新規チームが生き残るためには、この膨れ上がった予算をどのようにしてコントロールするかでしょう。それが出来なければ、メーカーチームだけが生き残り3台体制として台数を間に合わせる、新規チームが来るにはバックボーンに相当大きな資金をもったビッグメーカーが後ろ盾になっていなければ、またケータハムやマルシャのように消えていく運命になるでしょう。
F1チームとて、今は「ビジネス」として運営されていますから、利益が出ない事には誰もやらないですよね。慈善事業じゃないんですから。大昔のようにレース屋が頑張ってれば何とかなるという時代ではありませんし。
正直、今F1チームを買うなんで、将来的にチーム売却を狙っての短期投資の対象としてという印象しかないです。だから胡散臭い投資グループってとこからしか買収話が来ないんでしょうね・・・。
ホンダがやってくる2015年、台数間に合わせの3台体制なメーカーだけのF1になるのか、プライベーターが頑張って切磋琢磨出来るF1になるのか、F1の未来の岐路に立っているでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA