2007年 F1 アメリカGP

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ハミルトンの見事な連勝でしたね。今季3度目のワンツーを飾ったマクラーレンは、ある時代を思い出させてくれます。マクラーレンが後続を離して2台だけで戦うといったシチュエーション。そして、中盤の2台での一騎打ちバトル、レース終盤まで1~2秒差以内での緊迫した精神戦。1988~1989年のマクラーレン時代のあの二人を思い出すのは私だけでしょうか。ハミルトンを唯一抜くチャンスがあった中盤のストレートのシーン。あの時はタイヤ選択からアロンソがタイムを伸ばせる状況だったので、抜けないのはフラストレーションが溜まっていたでしょう。翌周のメインストレートでピット方面に思い切り寄せていきましたが、色んな思いが複雑に絡み合った中でのアピールだったのかもしれません。表彰台では仲良さそうにしていた二人ですが、アロンソの真の心中やいかに。
今回もハミルトンは全くミスを犯しませんでした。完勝といっていい内容でしたが、今後ハミルトンが後方から追い上げるシチュエーションを見てみたいですね。でも、ハミルトンの真骨頂が見れるのは、後方追い上げの際の凄まじい速さみたいですね。早くそんなシーンを見てみたいです。


レース展開そのものは各所でバトルもあって面白いシーンもありました。その中でフィジケラのパフォーマンスが良かっただけに1コーナーで大きく順位を下げたのはもったいなかったですね。十分ポイント圏内でゴールできていたでし、チームメイトのほうがここ最近好調の波に乗れてきているので、つくづく彼の不運に言葉を失います・・。
フェラーリ2台は久々に2台上位完走でしたね。終盤の2人のバトルも見ごたえありましたし。しかし序盤戦にあった速さは完全に身を潜めてしまいましたね。というよりもマクラーレンの開発速度がフェラーリより勝っているといったほうが正確でしょうか。優位になるだとうと予想されていた北米2ラウンドが完敗ですからね。これは開発のスピードを上げていかないと、このままマクラーレンに逃げられるでしょうし、シーズンそのものも面白さが少なくなりますので(ある意味面白いのですが)、フェラーリにはシーズンを盛り上げる為にも頑張ってもらいたいですね。

あと今回特筆すべきは、クビサに変わってBMWで初レースとなったベッテルのパフォーマンスです。去年のモンツァGPの記事でここでも書きましたが、あの時もトルコGPでフリー2トップ。イタリアGPのフリー1/2もトップタイムを出している19歳の若きドイツ人です。ミハエルの支援を受けてフォーミュラBMWデビューした経歴ですが、昨晩のCSでは面白い話をしていましたね。F1デビューした新人で予選7位になったドイツ人って誰か分かる?って川井ちゃんから聞かれて、「そんなの分からないよ。その時まだ小さかったから」って答えたそうですね(笑)。勿論本人は分かっているはずですが、はぐらかしたようです。勿論その後、「もしその人と同じだというなら、決勝はマシントラブルで止まるから嫌だな」って言ってましたので(笑)。
1991年、ジョーダンチームのガショー(使用禁止のイギリスで催涙スプレーを使い逮捕されてしまった)の代わりにF1デビューを果たしたミハエル・シューマッハは、デビューレースでいきなり予選7位。今回のベッテルも奇しくも予選7位でしたね。決勝はミハエルがトラブルで半周も走れずリタイアとなりましたが、ベッテルは見事チャンスを掴み8位1ポイント獲得。この時点でミハエルに勝ちましたね(笑)。しかし、この当時ベッテルはまだ3歳だったんですよね・・。時の経つのを改めて実感してしまいます。
しかしベッテルもそうですし、クビサやハミルトン、ロズベルグなど若い世代がどんどん台頭してきましたね。ハミルトンは別格としても、この中ではベッテルが一番可能性がありそうな気がします。昨年のフリー走行時の速さや、今回の結果を見ても必ず将来頭角を現してくるでしょう。


さて、歓喜に沸いたカナダGPから1週間。SAF1は琢磨に関しては今回残念な結果でした。というよりは、今回のUSGPは琢磨にとって、最初から終わりまでずっと流れが良くなかったですね。予選ではターン1でのミスでQ1落ちしてしまいましたし、決勝ではオーバーテイクを見せて順位を上げていったのですが、これも琢磨のミスだと思いますが、アウト側に膨らみすぎてスピンオフ。そのままグラベルから脱出できずにリタイア。ここ最近では殆ど見なくなった琢磨自身のミスでレースを終えましたね。しかも残念なのは、リタイアする前にイエロー区間の追い越しがあったという事でペナルティが出ていた事です。恐らく1コーナーのアクシデントのあと数周イエローが出ていましたので、その時にどこかで追い抜きがあったのだと思いますが、これまた珍しいです。今宮さんも言ってましたがこの辺りは非常に慎重に見ている琢磨ですので、何らかの本人の誤解があったのかもしれませんが・・。
何にしても、これで順位は大きく下げてしまうな、と思った矢先にスピンリタイアでしたので、ペナルティもクソもないな・・とガッカリしていましたが、そのペナルティを今レースで消化しなかったので、その分を次戦繰越にされてしまいましたね・・。予選10グリッド降格です。これは非常に痛いです・・。Q3に残ったとしてもほぼ最下位辺りの予選となってしまいます。しかしこればかりは仕方ありませんので、気分を切り替えて頑張って欲しいと思います。
デヴィッドソンは今回良いレースでポイントこそなりませんでしたが、11位完走。ずっとバトルしているような接近戦の中、終盤にバトンをターン1でオーバーテイクしたのはSAF1にとって唯一の見所だったのではないでしょうか(笑)。アレはなかなか見ていて気持ちいいパッシングでした。ホンダ陣営にとっては複雑だったでしょうが・・。