櫻井敦司氏の訃報と想い出

BUCK-TICKの櫻井敦司死去というニュースを見た時、何の事なのか分からない、現実とは思えない、信じられないというより信じたくないという思いが強く、愕然としてしまいました。1週間ほど前にステージ中に体調不良から中止したという記事は見ていたのですが、普通に良くある風邪とか発熱とかで無理を押して開演してみたもののちょっと無理そうなので中止になったくらいにしか思っていなかったので、まさかそのままなんて想像すらしていませんでした。勿論その公演を観に行っておられたFC会員の方は普通とは違う状況(こちらもニュース記事で状況を後から把握しましたけど)にかなり心配されていたのかと思いますが・・

亡くなったと聞いた日は仕事も上の空、帰宅したら呑みながら映像や楽曲を聴きまくって過ごそうと決めてたので、ツマミやアテを買って呑みながら故人を偲んでいました。でもなんというのか、映像を見ればみるほど、音源を聴けば聴くほど実感が無くなっていくんです。もうこの世に居ないという現実がどんどん薄れていくというか。でもそうやってその日以降も仕事中や行き帰りの車中で音源を聴いてしまっているってのは、いわゆる現実逃避なのかもしれませんし、バンドサウンドを聴く事で気持ちを落ち着かせているのかもしれません。
今年12月に久々に自分のバンドでライブを行う(昨年7月以来)のですが、基本全てオリジナル曲で演奏するんですけど今回だけは1曲カバーをして追悼したいなと考えていたりします。

自分がBUCK-TICKに興味を持ったのは今でも覚えています。高校生の時に仲良くなったクラスメートが学校の机の上に「BUCK-TICK」と彫刻刀で彫ってあったのを見て、これってバクチクって読むん?凄いバンド名やなって話をして。それで聴かせてもらったのがHURRY UP MODE。その後すぐデビューアルバムが出るからと教えてもらった記憶があります。勿論それはSEXUAL×××××!なんですが、見た目の強烈さとボーカル櫻井氏の男でも惚れてしまいそうな美顔、そしてビジュアルに似合わないPOPなサウンド。当時BOOWYが解散宣言するくらいのタイミングでB-Tがデビューしたから、後継バンドみたいな扱いをされていたような気がします。確かに括りとしてみれば、当時言われていたビートロック系の楽曲でしたし、さらにそれをPOPにしたような感じだったのですけど、自分としてはかなりハマりましたし当時ギターを弾いていてバンドもやっていましたけど、櫻井氏に憧れのような意識を持っていたのも間違いないと思います。惡の華、DRESSのPVに映る櫻井氏のビジュアルに衝撃を受け、バンドのライブなどでどうにしかして自分もビジュアルを彼に近づけたいと思ったものです(笑)

初めてのB-Tライブ参戦はSEVENTH HEAVEN TOUR。まだ高校生だったはずですが、髪の毛を総立てして頬にB-Tと書いてフルメイクで行った記憶があります(笑)。そして翌年のTABOOツアーもチケットを取っていたんですが、詳しくは書きませんが例の事件によってライブ中止となり払い戻しに会場までわざわざ行った想い出がありますね。

特に自分にとってTABOO以降の、特に「惡の華」「狂った太陽」のダークな世界観を感じられるアルバムにめちゃくちゃ影響され、ICONOCLASMなんて衝撃以外の何物でもなかったですしANGELIC CONVERSATIONなんて今でも大好きです。当時組んでたバンドで曲を作る時はメジャーコードで作る事をほぼしませんでした(笑)。とにかく暗く怪しい曲を好んで作ってたように思いますし、3コードで展開するような単純な曲より変な響きのするコードを入れたり、コード進行やアレンジをかなりややこしくしたりと、その辺りでもかなり影響を受けただろうなと思っています。
勿論そういったダークな曲ばかりではなくロック調な曲もありますし、JUPITERやDRESSに代表されるような幻想的なメロディを情熱的に唄いあげる楽曲も大好きです。「さくら」は当時好きすぎて一人で4chマルチトラックレコーダー(カセット!)でピンポン録音を繰り返して完コピ音源を作ったりしたものです。

Six Nineくらいまでは聴いていたかと思いますがそこからは子育てや生活に追われ、バンド活動もしなくなり音楽を聴く事も殆ど無いような生活をずっと続けていましたが、40代前半くらいからまたバンド活動を趣味で始め、曲を作ったりするようになりましたが、BUCK-TICKがメンバーチェンジせずコンスタントにライブやアルバムを出している事にびっくりしたものです。近年では「愛の葬列」がめちゃくちゃツボにはまる幻想的な曲で気に入ってました。

何よりも驚いたのは昔に比べヴォーカリストとしてのレベルがとんでもない域に達していたという事です。昔はまだ勢いだけという部分もあったかと思いますが、今は歌唱力は勿論のこと表現力がとんでもなく高いレベルになっていて、本当にびっくりしたし凄いなと思ってました。歳を取れば歌唱力を落としていくヴォーカリストは多いのに、彼はその真逆をいってましたから。最新アルバムの「無限LOOP」を聴いて本当にびっくりでした。

何枚か拾った写真を掲載したいと思いますが、巷では魔王と呼ばれてた櫻井氏。圧倒的な存在感と近寄りがたい雰囲気はまさにその異名のままなのですが、トーク番組などでは屈託のない笑顔を見せてくれたりしてましたし、普通に面白い人なんですよね。愛猫家で将来は猫カフェの店長になりたいと言っていたとか。そんなギャップがまたファンを虜にしていたんでしょう・・

櫻井さん、あなたに本当に影響を受けました。
自分の青春時代を数えきれないくらい色々な形で与えてくれて本当にありがとうございました。
ゆっくり休んでください。またいつか。

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