音楽との出会い(2)

私が高校に入ったとき、一番最初に仲良くなった友人の家に遊びに行く事になった。1年生の5月くらいだっただろうか。

部屋に入るといきなりフライングVのギターがドカンと置いてあった。私はギターというとアコギとかストラト形状といったスタンダードなタイプのイメージしかなかったのでその形(名前の通りV型)は衝撃的でもあり少し可笑しくもあった(笑)。
彼は44MAGNUMというバンドを好きであり、そのギタリストが弾いているギターと同じタイプのものを買ったようだった。しかし彼が部屋に入って聞かせてくれたのは同時代にヘヴィメタル(以下HM)バンドとしてマグナムと人気を2分していたLOUDNESSの「Thunder in the East」というアルバムであった。

1曲目の「CRAZY NIGHT」、2曲目の「LIKE HELL」(※今見ると凄い曲名だが)など心の中の何かが震えている気がした。こんな激しくかっこいい音楽があるんだと思った。前章で書いたとおり私はそれまで静かな感じの曲ばかり聴いていたのでこれほど180度違う音楽に出会った事が無かった。あまりの衝撃に今でもその時の状況をはっきりと覚えているくらいだ。
そしてその友人はフライングVをおもむろに手に取り、LOUDNESSのフレーズをレコードから聞こえるとおりに弾き出した(もちろん今から思えば相当ヘタだったと思うが)。それに感動した私は自分も絶対ギターが弾きたいと思った。

私の父親は学生時代にバンドをやっていた名残からか家にはギターがあった。ただその当時はすでに弾いていなく押入れの肥やしになっていただけだったのだが、私はそれを速攻引っ張りだして練習を始めるようになった。そのギターはモズライトの寺内タケシモデルのレプリカだったのだが、そのギターでHMをガンガン弾きまくっていた(笑)。その当時人気のあったジャパメタ(Japanese Metal)の有名バンドも聞きまくっていた時であった。

そしてだんだん少しづつではあるが弾けるようになってきて、これでは物足りないと思うようになり、遂に自分のギターを買うのであった。もちろんLOUDNESSのギタリスト高崎晃が使っているランダムスター(星型のギター(笑))のレプリカを買った。しかし安物のレプリカだったので音はそんなに良くは無かったが、とっても大事に扱っていたのを覚えている。

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そのうちある壁にぶち当たる・・。

HM/HRのバンドのギタリストはある意味テクニックを見せるような楽曲が多くそのギターソロなどは殆ど超人的なプレイなのである。当然ギターを始めてすぐの人間に弾けるはずもなく、私も同様であった。バッキング(曲中のシンプルなプレイ)などは何とか弾けるのであるが、ギターソロに入った瞬間お手上げになるのだ(笑)。

ひたすら練習を繰り返すしかないのであるが、だんだん辛くなってくる。そんな時に出会ったバンドが皆さんご存知だと思うがあのBOOWYであった。

ちょうどB・BLUEが発売された頃だった。PVでも結構流れていてシンプルなROCKであるが、力強くそれでいて美しいメロディライン、ギターもシンプルだがカッコよくギターソロも今まで聞いていたHM/HRのようなテクニック第一主義のようなソロではなくシンプルなのにカッコいい。まさにその当時自分が求めていたサウンドであった。

発売されたばかりのアルバム「Beat Emotion」を聞いてブっ飛んでしまった。なんてカッコいいバンドサウンドなんだろうと。それこそもう毎日ひたすら聞きまくっていた。それ以前のアルバムも全て聞きまくり、ギターの練習もBOOWY中心に弾きまくるようになってきた。テクニックは云々としても曲の始まりから終りまで一通り弾きこなすことが出来る曲が沢山あったのが嬉しかった。あえてもう一度言うがソロなどの微妙なニュアンス、ギターカッティングのキレなど全く出来ていなかった当時ではあるが、とりあえず似たような音が最後まで出せる事に凄い満足感を感じていた。

こうなると、もうバンドをやりたくて仕方がなかった。当時本当にバンドブームと言われるほど猫も杓子もバンドバンドだったのだが、まさに私はその渦中にいたのであった。

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そうなるといきなり問題が発生・・(そればかりだが(笑))。

それまで使っていたランダムスターギター(星型)があまりにもその音楽とかけ離れた形状をしているのである。ご存知BOOWYのギタリストである布袋寅泰氏はホワイトのストライプの入ったテレキャスタータイプ。部屋で練習する分には何の問題もないのだが、いざバンドをやるとなったらスタジオやライブハウス等でそのギターを使わなければいけない。昔から「まずは見た目重視」(笑)な私はいきなり個人売買(※注1)でギターを運よく売却でき、その元手で布袋氏と同タイプ形状のテレキャスターを遂に購入するのであった。これでやっとバンドが出来ると思った。高校3年の時であった。

友人と高校最後の学園祭でやろう!と盛り上がり、BOOWYオンパレードのバンドとして練習を重ね、初めて人前でステージ(といっても体育館だが)にあがり演奏をした。人前で大音量のサウンドを奏でることはきっと気持ちが良いものと思っていたのだが、もちろん気持ちよさはあった。しかしそれよりも初ステージということで緊張が激しく私を襲い、何が何だか分からないうちに終わってしまったという感が強かった。それでもハードロックに出会った時とはまた違う新たな衝撃を受けた感じだった。

ただ私はその頃すでにモータースポーツにも興味を持っておりF1観戦や特にバイクに乗るのが好きであった(車の免許は当時無かったので)。その後ギターを引き続けるもバンド活動といったものは特に行わず、大学受験にかろうじて(笑)合格し高校を卒業し晴れて大学生になるのであった。そして大学生になったらバイクのサークルに入ってツーリングライフを送ろうとその時考えていた。

しかし、入学後に私の人生が大きく変わったと今でも思える状況が始まる。(続く)

(※注1)
余談だがこの当時の個人売買というのは、音楽雑誌などの売買コーナーに「はがき」を送りそれを掲載してもらって、それを見た人がこちらの自宅に「はがき」で買いたい旨を送るという、凄まじく時間の掛かる方法(まず掲載までに約1ヶ月くらいかかる)であった。しかも雑誌には当然だがはがきを送る為こちらの住所が完璧に書かれていた(笑)。今から思えば考えられないことだが)

音楽との出会い(2)” に対して4件のコメントがあります。

  1. じっちゃん より:

    一度書き込みさせていただいた場所は、得意フィールドでなくとも気になってしまいますね。全部読ませていただきました(^人^)。なるほど180度方向転換ですね~!私は高校時代は奇麗な音を極めて“姫神”というシンセサイザーグループに(インスト中心に移行)夢中になりました。
    実は私も中学時代にバンドを夢見た事がありまして・・当時、漫画雑誌の新人賞が100万円!絵の得意だった私が「これで100万とってギターやらミキサー一式揃えよう!」と友人をそそのかし・・・現在、私はミイラ取りミイラに(夢の規模はいささか縮小しましたが・・ここはつっこまないでくだされ(-。-;))、友人は今もバンドマンとして細々と活動しております。
    ≪前回、〉民族芸能の道・・と書きコメント投稿後に「違うじゃん!」と気付きまて・・・≫成人して以降、私も180度音楽嗜好が変わりまして(ここでようやく)民族芸能団体にまで一時籍を置く程の入れ込みようでした。今ではその友人のバンドに和太鼓で参加して同じステージに立っておる次第です。
    人生って面白いと近頃思いますわな。
    さて私はゲームというゲーム、一切やった事がない珍しい人間(らしい)ですが、昨年末、街のゲーム売り場店頭で見た映像に釘付けになりました。その名はGT4!決してヨイショ!ではないのですが、これならやってみたいと初めて思ったゲームなのです。スンゴイリアルでホントにビックリしました。
    そこで質問です。私もSYORIさんも同じスーパーカー世代!このゲームでスーパーカーは乗れるのですか?(決して笑わないで下さい~・・)
    このコメント投稿欄、あまりに小さいのでどれだけ文章を書いたのかわかりませんが相当書いてたらゴメンナサイ!返事はお忙しいでしょうから簡単で結構です(^O^)よ!
    あのコクピット(?)凄い気持ちがわかります。なぜか羨ましい!!

  2. SYORI より:

    じっちゃんさん、コメントありがといございますm(_ _)m
    こんな超個人的趣味なblogを目を通していただき恐縮ですm(_ _)m
    > 実は私も中学時代にバンドを夢見た事がありまして・・当時、漫画雑誌の新人賞が
    > 100万円!絵の得意だった私が「これで100万とってギターやらミキサー一式揃えよ
    > う!」と友人をそそのかし・・・
    そうなんですかー絵が得意って良いですね。私なんか家でたまに子供に書かされて
    犬とか書きますが、嫁からは未確認地球外生物に見えるといわれるくらいヘタです(笑)。
    > 今ではその友人のバンドに和太鼓で参加して同じステージに立っておる次第です。
    おお、和太鼓!男らしいパートじゃないですか。
    > 昨年末、街のゲーム売り場店頭で見た映像に釘付けになりました。その名はGT4!
    > 決してヨイショ!ではないのですが、これならやってみたいと初めて思ったゲーム
    > なのです。スンゴイリアルでホントにビックリしました。
    そうなんですよ、このゲーム(ゲームというよりはシミュレーターですね)は本当に挙動や
    画面のリアルさに定評があります。実際のコースであるクルマを本当に走らせるのと
    ゲーム内でやるのとでのタイム差が殆どないそうですし。かくいう私も子供(3歳)に結構
    やらせているのですが、もうすでにアクセル・ブレーキ、ステアリングを使ってある程度の
    操作をしているんですよ(笑)。
    > そこで質問です。私もSYORIさんも同じスーパーカー世代!このゲームでスーパー
    > カーは乗れるのですか?(決して笑わないで下さい~・・)
    うーん、残念ながらスーパーカー(有名どころのフェラーリやランボルギーニなど)は版権
    の問題?とかで収録されていないんですよー。あるとしたらランチアストラトスとか童夢ZERO(http://www.dome.co.jp/museum/car_m/car_m01a.html)などですねー。他にも
    色々あるのだと思うのですが、ゲームの進行度が進むにつれて色んなクルマが出てくる
    システムなんですよ。ただ私タイムアタックばかりやってて進行度が2%くらいなんです(汗)。
    > あのコクピット(?)凄い気持ちがわかります。なぜか羨ましい!!
    嫁&友人から狂人扱いされていますが(笑)、性格上やりだしたら止まりませんので・・。
    ただやっぱり操作感は最高ですねー。

  3. じっちゃん より:

    ご回答いただきありがとうございます!
    なるほど、シュミレーターですか!そそる言葉ですね。童夢ZEROなんて懐かしい名前があって涙モノですね、しかし版権とは・・残念な事です。スーパーカーなんて一生乗る機会なんてないでしょうからねぇ、ゲーム内でくらい夢を叶えてもらいたい!なんて思いますが。
    しかし、3歳のお子様がそれだけのテクニックをお持ちとは・・!将来有望ですね、家庭内でも多数派となってゲームもやりやすい環境になるのではないですか?(^▽^)
    ちょっと影響を受けた感がありますので、GT4、購入を検討してみるつもりです。
    その際はSYORIさんを目標に頑張ってみたいですね。(^人^)
    また見に来ます。では!

  4. SYORI より:

    じっちゃん さん
    > なるほど、シュミレーターですか!そそる言葉ですね。童夢ZEROなんて懐かしい
    > 名前があって涙モノですね、しかし版権とは・・残念な事です。スーパーカーなんて
    > 一生乗る機会なんてないでしょうからねぇ、ゲーム内でくらい夢を叶えてもらいたい!
    > なんて思いますが。
    それは思いますねー。まあ有名どころは無い(フェラーリ、ランボルギーニ)ですが
    それ以外にも1億円くらいするスーパースポーツ車とか乗れますので、そういう意味
    では仮想体験できますよー。
    > しかし、3歳のお子様がそれだけのテクニックをお持ちとは・・!将来有望ですね、
    > 家庭内でも多数派となってゲームもやりやすい環境になるのではないですか?(^▽^)
    いやいや、テクニックなんてもんではないですよ。ただ走らせてるだけですから。
    ただこのまま教え込んで2輪でも4輪でもいいのでレーサーにしたいとは思いますが(笑)
    まあ本人が何がしたいかによりますよねー。まあ親の影響を受けてしまうことは一般的
    に大きいと思いますが(笑)。
    ゲームは昔からよくやってるので嫁さんはそれほど反抗的ではないですが、逆に子供
    にはあまりさせないでくれ(目が悪くなるから??)!とは言われます;;
    > ちょっと影響を受けた感がありますので、GT4、購入を検討してみるつもりです。
    > その際はSYORIさんを目標に頑張ってみたいですね。(^人^)
    私を目標だなんて滅相も無いですorz
    でもやりがいはあるタイトルだと思いますので一度プレイされてみても面白いかも
    しれませんよー。ハンドルやら何から何まで揃えたら私のようにアホみたいにオカネ
    が飛んでいきますが;;

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