2007年 F1 カナダGP

カナダGPはサーキットの特性上、荒れる時はかなり荒れるレースとなりますよね。ラスト数周で止まったセナ、パニスの大クラッシュ、アレジの初優勝など色々と巡ってきますが、今回も近年まれに見る大荒れのレースとなりました。眠い目をこすって見ていて良かったです。
北米ラウンドは日本との時差が大きく、レース開始が深夜2時と毎年辛い時間に放送します(去年も同じような事言ってましたが)。なので録画放送が主体の地上波も北米ラウンドは生中継を行いますので、月曜仕事の方は普通見ない時間帯だと思いますので(私のようなリアルタイム観戦じゃないと気がすまない人は別として(笑))、あえて内容は続き以降に書く事にします。まだ見ていない方は、続きを見ないようにして下さい(笑)。録画したものを先に見てからお願いします!。

決勝内容は全て把握しきれない程大荒れ展開でした。セーフティカーは合計4回は出たでしょう。ランオフエリアが無いコーナーも多々あり、少しラインを外すと即クラッシュするというコースだけに、アクシデントが多発しました。その中で終始安定したラップを刻み、恐らく数少ない当初のルーティンピットワークのままで完走したと思われるハミルトンが全く危なげなく遂に初優勝!。全戦表彰台の記録は継続したまま遂に頂点に立ちました。そしてアロンソはタイヤに問題があったのか、終始不安定な走りに加え、SC中の給油でペナルティを受け、結果7位。ポイント差が8PTに広がり、ポイントランク単独トップにハミルトンが立ちました。この後のイギリスGPはどうなるのか、物凄い盛り上がりになる事は間違いないでしょう。バトン人気が完全に移行したといっても過言ではないでしょう。CSでも言ってましたが、20勝30勝としていく偉大なドライバーになるであろうハミルトンの最初の1勝となる今レース、彼の喜びようやレース後の初々しい仕草など、目に焼き付けておきました。

フェラーリは北米ラウンドで復調すると思っていましたが、まさかの展開となりました。終始ペースもマクラーレンより劣っており、挙句の果てにマッサはピットレーン赤信号無視でブラックフラッグ・・。ブラックフラッグなんて久しく見ていなかったので、この厳しいペナルティにはビックリでした。同じペナルティでフィジケラもブラックフラッグとこれだけでも大荒れです(笑)。ライコネンも結果5位でしたがペースは良くなかったですね。

BMW勢はハイドフェルドが素晴らしい走りで2位表彰台。苦労人だけに今回のレースはホント良かったと思います。ただ対照的にクビサが大変なクラッシュを起こし、一時はかなり心配したのですが生命に別状は無かったということが本当に良かったです。トゥルーリと接触しフロントタイヤが浮いた状態でコンクリートウォールに激しく当たり、マシンがバラバラになって止まりました。1994年サンマリノのバリチェロのクラッシュを彷彿させる激しいクラッシュでした。クビサは自力で脱出する気配を見せず、その後ずっと国際映像に映らなかったので(アメリカでは特に生命に関わる重大事故発生時はカメラを映さない風潮のようなので)、それが気になってかなり心配しましたが、生命には別状なく足の骨折で済んだようでした。しかしダメージ的には相当期間レースは不可能でしょうから、今後はヴェッテルが暫く乗る事になると思います・・。BMWザウバー勢にとっては悲喜交々、複雑なレース結果だったでしょう。

追記
クビサの怪我は軽い脳しんとうと右足首捻挫の軽傷だったようです。第一報より軽かったようで良かったですね(次戦出場は分かりませんが)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070611-00000102-ism-spo

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さて!
我らがSAF1チームですが、やりましたね!。琢磨が殊勲の6位入賞。

この結果は数値的にも最高でしたが、視覚的にも最高だったと言わざるを得ません。残り10周でラルフはおろか、ワールドチャンプのアロンソをオーバーテイクしたのですから!!。琢磨は以前からファイト溢れるオーバーテイクを見せて世界を魅了してきましたが、その反面接触やアクシデントも多く、批判も多かったと思います。しかし今回のレースでもそうですが、琢磨が魅せるオーバーテイクはレースを活性化していると思いますし、近代F1で失われつつあるコース上の追い抜きを見せてくれる数少ないドライバーの一人だと思います。そして今までと決定的に違ったのは、今までなら「いける!」と思ったポイントで相当なリスクを負ってオーバーテイクを仕掛けていましたが、反面ミスも多くチャンスを逆に失うことも少なくありませんでした。
しかし今回は確実にいけるポイントで万全に抜いていったというところでしょうか。1コーナーなど数多くのコースアウトがありましたが、そこでラルフを追い抜く事をせずに(かなりいけそうな場面もありましたが)、無理をしなかったという点が物凄く印象に残りました。今までの琢磨なら、あそこでブレーキング勝負してコースアウトとかかなりありえそうでしたから(笑)。やはり安定して走る事の大事さをSAF1で相当学んだんではないかと思えるような走りでしたし、確実いけるところでミスなくズバっとオーバーテイクしていったのは最高でした。

ラスト10周ではバリチェロがSC後にピットに入らなければいけなかったので、8位に上がるのは確実でしたが後ろにはウェバーもいますし安泰ではないなーって思いましたが、唯一ハードタイヤを履いていた琢磨はペースが素晴らしかったですね。ラルフを抜くまでは8位でも良いから慎重に・・って感じでしたが(笑)。ラルフをオーバーテイクして7位にあがった時も手を叩いて喜んだ私ですが、その後王者アロンソにあっという間に追いつき、まさかこんなシーンが見れるとはおもいませんでしたが、最終コーナーでスリップから抜け出しアウトからブチ抜いていったときは、明け方4時前にも関わらす、大きな声で「いけ、いけ、よっしゃーーーーーーーーーー!!」と手を叩きながら叫んでしましました;;。その後ライコネンとの差も詰めてましたがそこまでは流石に届きませんでした。でもあと数周あれば恐らく抜いていた可能性は大きかったと思います。

さてここで、SC中にピットに入った琢磨でしたが、現ルールではSCコースインのアナウンス後は、ピットレーンオープンまで給油をするとペナルティとなります(今回アロンソとロズベルグが適用され10秒ストップペナルティを受けました)。あの時琢磨は、給油を行わずに一旦ピットアウトさせ、給油OKのタイミングになってから再度ピットインさせましたが、このピットインタイミングがミスだったと悔やまれる方もいると思います(その時点で実質4位でしたから)。しかし結果的にはあれが正解だったと思います。
もし給油OKな場面でピットインしていれば、ピット回数は1回少なくて済みましたし、その時点での順位は上手くいけば表彰台圏内だった可能性もあります。しかし忘れてはいけないのが、今季タイヤルールなんですよね。ソフトとハードを必ず履かなければいけないので、最終スティントではソフトタイヤで走る形になっていたはずです。ただ、ハミルトンを除いて軒並みハードタイヤより明らかにペースが落ちていた各車を見ると、あそこでソフトだった場合大きくペースを落とし6位以下に下がっていた可能性が大きいと思えます。ましてや4回目のSCが入りましたので、後続との差はありませんでしたから。

ピットでは給油するのかどうか迷っていた雰囲気がありありと感じられ、ピットアウト後にはメカニックが地面を叩いて悔しがるシーンも見受けられましたが、そこでソフトタイヤを履いて出た後、ピットオープン後にすぐハードタイヤに履き替えた事で、ソフト・ハードをどちらも履くというルールを実行した事になりますし、あそこで給油していたらペナルティを食っていたので、ソフトタイヤのまま再度ピットインしなければいけなかったと思います。この時点でポイント圏外になっていたことでしょう。
あのタイミングでのピットインは恐らく作戦ではなく偶然のタイミングだったと思いますが、よくあそこで給油をせずソフトで送り出し、再度ハードタイヤへ交換する為にSC中のピットオープン後に直ぐ入れたと思います。見た目の順位は大きく落ちましたが、あの一連の流れは結果琢磨の6位を大きくたぐりよせたと言っても過言ではなかったと思います。勿論ブルツが3位になったということからも、タイミングや運があれば可能性があったことは言うまでもありませんが、それでも2度目の入賞、しかも6位3ポイントを得た事はとてつもなく大きかったとおもいます。これは前述のピットインのタイミングや流れが大きいのもありますが、何よりコース上で琢磨がノーミスで走りきった事もとてつもなく大きいですよね。そして終盤のラルフ・アロンソをオーバーテイク。琢磨のF1ベストレースといっても良いくらいの内容だったとおもいます。国際映像があれだけ映していた事からも分かると思います。

余談ですが、デヴィッドソンは動物をはねてしまったみたいですね。それで緊急ピットインして、誰も居なかったというのが真相だったようです。レース後コメントで「ビーバーに関しては残念でした」って言ってましたね・・。彼は今回もツキに見放されてましたが、いつかはポイントを取って欲しいです。

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長くなりすぎるのでこの辺りで(笑)。
次戦はアメリカGP。琢磨の思い出の地でのレースですね。マシンの調子は決して悪くないと思いますので、また期待できそうな予感がします。また寝不足になると思いますが、必死で見たいと思います。

2007年 F1 カナダGP” に対して8件のコメントがあります。

  1. myst_stream より:

    これから録画を見られる方は、このコメントも見ないようにお願いします(笑)。
    私もリアルタイム観戦じゃないと気がすまないので眠い目を擦りながら見ました(笑)。いつも予選順位から変化がないので途中で寝てしまうことが多かったのですが、今回は見ごたえがありましたね。最後まで何が起こるか判らない状態でしたので、目がパッチリでした。特にラスト5周くらいの琢磨の走りは興奮しました。おかげでレース後も寝つけず睡眠時間は2時間くらいです。来週も同じ時間ですので気合を入れて見たいと思います。

  2. SYORIさん、お久しぶりです。
    最初上から読んでいたとき
    SA関連のコメントがなくて一瞬あせりました笑
    今回は地上波も衛星生中継ということを知らなかったので、
    録画して寝てしまいました・・・泣
    こんなレースになるならおきてればよかった~
    とても悔しいです。
    さてさて、琢磨のピットインのことについてですが、
    SYORIさんの分析ですっきりしました!
    やっぱりあの時給油できなかったのは痛いと思いましたからね~。
    いや~、それにしてもあのオーバーテイクシーンは感動しました。
    アロンソですよ?!
    マクラーレンですよ?!
    録画なのに、朝から「行け!行ける!」と叫んでいました笑
    もうSAも表彰台間近ですね!!!!笑笑

  3. key より:

    私は帰ってからビデオ観戦でした。昼休みに記事のタイトルで「琢磨6位」とか「黒人」とかいうキーワードを見てしまい、楽しみが減ってしまったと思っていたら、レース内容はこれらのキーワードだけでは計り知れないものでした。
    特にアロンソを抜いたときは、結果を知っているはずなのに、よしっ、よしっ、よしっ、よっしゃ~(両拳を天に突き上げる)でした。
    クビサは骨折と聞いていましたが、大きなケガじゃなくて安心しました。順調に回復すれば、次戦も走れるかもしれませんね。今年のレギュレーションでモノコックが強化されたことが良かったんでしょうね。
    今回のレースは、タイヤ、SC中のピット、安全性の向上と、今年のレギュレーション変化がもろに出たレースでしたね。

  4. calcio723 より:

    私もリアルタイム観戦の1人です。
    とは言え3交代勤務なので見れる時は少ないんですけどね^^;
    私って荒れるレースは余り好きではなく、かと言って淡々と進んでしまうレースも好きではないのですが・・・。
    プロのレース、プロのバトルを見たいってのが1番ですね。
    今回の大荒れのレースの中、それを見せてくれたのが琢磨でした。
    日本のチーム、日本人ドライバーなので応援してるってのはあるとおもいますが本当に興奮しました。
    2つ隣の部屋で親が寝てるので声が出そうになるのを必死で堪えながらガッツポーズ(笑)
    次戦は見れないと思います^^;
    次のレース観戦は、セパンGTかな。

  5. SYORI より:

    >myst_streamさん
    どうもです。やはりリアルタイム観戦ですか。深夜までGTHDCを頑張られている方は概ねリアルタイム組が多いような気がしますね(笑)。
    しかし近代F1はレース中に居眠り誘発するような内容のレースが多いのですが、今回はそうじゃなかったですね。ただ荒れまくったと言うだけではなく、琢磨のコース上でのバトルが最高に興奮でした。コレは日本人だから・・という事ではないようですよ。海外の主要F1情報サイトなどを見ていましたが、今回のベストドライバーみたいな投票とかあったのですが、勝ったハミルトンの倍以上の得票差で琢磨が堂々のトップ投票でしたから!。やはり世界のF1ファンが何を求めているのか、よく分かる気がしました。
    レース後は同じく寝付けなくてネットとか色々見ていたら完全に夜が明けてました・・。昨晩は21時前に寝ましたよ(笑)。来週も同じく気合で頑張ります。

  6. SYORI より:

    >いんぷれっささん
    どうもです。SAF1の記事が腐るほど書きたかったので、最後の方に取っておきました(笑)。北米ラウンドとブラジルは地上波も生放送が多いのですが、深夜2時からですのでなかなか気軽に見ようと思える時間ではないですからね・・。スタート時間はともかく終わるのは3時半以降とかになりますからね(笑)。
    ピットタイミングに関しては、どうやら琢磨が独断で決めて入っていったようですね。あのタイミングで給油無しでソフトに履きかえ、ピットオープン後に再度ハードに履き替えつつ給油する、という内容が既に頭にあったのでしょう。なので用意していなかったピットは大慌てだったようですね(笑)。それでもあそこで、すこしドタバタしていましたが、給油せずちゃんと琢磨のイメージ通りピットワークをこなせた事は大きかったと思います。亜久里代表いわく、ドライバーの能力にチームがついていけてない、というコメントを残していましたが、そういう部分はまだ課題として残っているなって感じます。
    それにしてもアロンソのオーバーテイクは感動でしたね。私も見ながら「いけ!!」「よっしゃ~~!!」って手を叩いて大きな声だしてましたが、私だけでなく全国のファンがそんな感じだったみたいですね(笑)。

  7. SYORI より:

    >keyさん
    どうもです。keyさんはビデオ観戦でしたか。私が何故リアルタイムにこだわるかというと、仰られていたようにネット上で情報が氾濫していますので、ほぼ確実に結果が分かってしまう恐怖心があるからです(笑)。7~8年前までは地上波で見ていましたが、やはり録画放送だけに、放送前にテレビをつけているといきなりニュースで結果をやったりとエライ目にあったりしたもんです(笑)。それがあって完全生中継のCSに移行した次第です。唯一ニュースで観戦前に状況を伝えられてそういう気持ちにならなかったのが、あの1994年のイモラでした・・。
    アロンソのオーバーテイクシーン、皆さんの行動が似ていて楽しいですね(笑)。同じ気持ちを共有していたんだなーって思うとそれだけでも嬉しいものです。
    クビサはもう既に退院して、自分で運転してインディアナポリスに向かったとか・・。ただ最近の傾向を見ると数十Gのインパクトを受けたときは、脳にある一定のダメージが蓄積されているようですので、外的ダメージが無かったとしてもドクターストップがかかる場合が多いようですので(以前ラルフがそういう状況で出場できなかったはずですので)、今回は連戦だけに出場は微妙かもしれません。

  8. SYORI より:

    >calcio723さん
    どうもです。私は荒れるレースは好きな方ですが、淡々と進行するレースは好きじゃないですね。やはりコース上でバトルが展開されるレースが一番見ごたえもありますし燃えますよね。近代F1ではそういうシーンが殆ど見られず順位変動はピット上で・・というケースが殆どですが、琢磨だけは以前から積極的なオーバーテイク(反面クラッシュも多く、逆に批判されたりしましたが)を見せてくれるので、往年のドライバーからは賞賛されていまし、見ている私達もアツくさせてくれますよね。ホント何時も思うのですが、19歳から4輪レースを始めたとは思えません。
    私も明け方に大きな声を出してしまったので、近所に早起きの方がおられたら、きっとあそこの旦那はまた・・って感じで思われたことでしょう;;。

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