2008年 F1 第12戦 ヨーロッパGP

追い抜きが可能なストリートコースという事で、レイアウトは素晴らしいものでした。まさに近代市街地レースといった感じでしょうか。市街地コースと思えないようなランオフエリアがありましたし。というか、実際の一般道を使っているような感じに見受けられなかったのですがどうなんでしょうね。街中にクローズドコースを作ったという雰囲気がありましたが・・。
でも、初コースという事で楽しみにしていたレースですが、退屈で途中何度もウトウトしてしまいました(笑)。オーバーテイクは殆ど見られませんでしたし、ハイライトといえばライコネンのエンジンブローくらいだったんじゃないでしょうか(ミハエル恐るべし(笑))。まあストリートコースもそうですが、ラインを外すとタイヤカスやホコリだらけでしょうし、レイアウト的にはコース幅も広く追い抜き可能でもリスクが大きすぎるという部分もあるんでしょうね。
レースはPPから見事逃げ切ったマッサが優勝。2位にハミルトン、3位にクビサが入りました。懸念されていたマッサのペナルティに関しても罰金だけでレース結果が左右されるものでなかったので一安心です。それにしても今回のフェラーリはピットで命運を分けかねない失態を犯してましたね・・。そのあたりは続きでじっくりと(笑)。

CS放送でも川井ちゃんが言ってましたけど、私も以前からこのシステムは少々疑問でした。そう、ロリポップマンがドライバーの目の前に掲げるSTOPのボードを自動化しているシステムです。確かピット作業員の3人がスイッチを持っていて、それぞれの役割が終わったらスイッチを押し、3つランプが点灯したらドライバーはスタートできるというシステムで、これでピット時の僅かなタイムロスが稼げるというものらしいです。
まあ発想自体は素晴らしいですし、1/1000秒を争うレースで僅かなロスも失いたくないという気持ちは分かるのですが、仮に3人目がスイッチを押した瞬間に何か問題があって発進しようとするマシンを緊急停止させるようなシステムはあるんでしょうかね・・。詳しく分からないのですが、給油マンがリグを抜いた時点で給油部門スイッチ?が自動的に入るようなシステムだと、絶対に今回のマッサのときのような問題を防ぐ事が出来ません。

ライコネンのときはリグが抜けていなかったので、給油リグ感知型であればセンサーの誤動作でしょうし、手動で押している人物が居たならヒューマンエラーという事になるのでしょうが、結局僅かなタイムを稼ぐシステムなのに致命的なミスを犯しているようでなりません。
F1の世界ではシャークフィンのように良さそうと思われるものは、あっという間にコピーが氾濫するものですが、不思議とこのピットアウト通知マシン?はどのチームも採用していませんよね。これは他チームが冷静にそのシステムの効果を判断している何よりの証拠じゃないでしょうか(笑)。メリットとデメリットを天秤に掛ければ、採用しない方が絶対良いと私でも判断しますから・・。人為的なミス以外にも機器的なトラブルが起こる可能性だってある訳ですし、そんな時どうするんでしょうね(笑)。なんでもかんでも機械に頼ってはいけないという典型的な例じゃないでしょうか。

ライコネンのピットストップ時のチームクルーの状態が心配されましたが、足と背中に軽症を負っただけという事でホント安心しました。スロー映像でも結構無理な姿勢で飛ばされてましたし、ストレッチャーに乗せられて運ばれる姿を見るとかなり心配ですが良かったです・・。
そのライコネンもその数周後にエンジンブロー。前戦のマッサがコンロッドのトラブルという事みたいですが、ライコネンのエンジンも同じ事が起こった可能性が高そうです。これもエンジン開発凍結の弊害かと思いますが、エンジンに致命的な問題があればそれを解決すると言う名目でエンジン開発を許されています。この部分を上手く利用してエンジンパワーアップを図っているチームがあるとかないとか・・。まあ確かに「コンロッドが悪かったので、それに付随するシリンダーとピストン、クランクシャフトも変更させてもらいました~」でも通用するのかもしれませんよね(笑)。それが結果パワーアップに繋がっているかもしれませんから。一説ではメルセデスエンジンはその抜け穴?を利用して25psも高出力のエンジンを持っているという噂です。そんな事を聞くと、エンジンブローしている車を見ると「わざとやってるんじゃないか?」と勘ぐってしまうのは私だけでしょうか(笑)。

日本勢ではトヨタが3度目のダブル入賞を果たし、ホンダとの力関係がますます明確になってきました・・。来期ホンダはアロンソを本気で招こうとしているようですが、幾ら本田技研がバックに居て、ロス・ブラウンが居るとしても、ルノーよりもリスクが高いような気がして仕方が無いんですけどね。勿論来期はKERSシステムやスリックタイヤ復活など、車体空力面での大幅な変更(ダウンフォースの大幅削減など)が予定されていて、勢力図が大きく変わる可能性がありますから、もちろんホンダも来期大化けする可能性はある訳ですが、ここ数年の低迷を見ていると微妙な気がします(笑)。

ポイント争いもハミルトンが一歩抜け出した感がありますが、マッサが6ポイント差の2位。つくづく前戦のエンジンブローが痛かったですが、今後のスパとモンツァの動向でいよいよフェラーリもドライバーの優先権を与えるようになるでしょう。ライコネンとのポイント差は少ないですが、ここ最近のレース展開を見てもライコネンがタイトル争いに残るような雰囲気はあまり感じられないですよね・・。それが非常に残念ですが、予想としてはモンツァ辺りからマッサがフェラーリでのタイトルをかけて戦うような状況になるような気がします。心配なのはイギリスGPのようなグダグダレースをまたやってしまわないかという事ですね(笑)。

2008年 F1 第12戦 ヨーロッパGP” に対して12件のコメントがあります。

  1. Rest0g より:

    昨日に引き続きです。一緒でもほんと良かったんですよ。
    自分もユーチューブでフォールアウトボーイっていうバンドが好きなんでそれみたり、シンガボールのCGやFIA-GTを見てました。
    レンタルカートを走らせたので疲れて眠い中でした。一貴は避けられなそうでしたが、予選がよかったので飲み込めない事故。琢磨のスタートをみならってほしいなぁ、と。
    ところで地上波の解説の右京さんはもう少し批判があってもいいんじゃないかと。マッサへの批判しか覚えてない(あのタイプは王者は無理、と)。
    まぁさ(そ)のマッサが真っ先にゴール(笑)。
    よ~かったねぇ~~、と思います。
    彼は、ハマるとハミルトンもお手上げですね。次はライコネンの番だと思いますが、あの白煙は雪かっ?て感じでした。ほんと真っ白。
    ベッテルとトヨタはよくやってますね。どーでもいいですがトヨタ車の赤を黒のものと青べースの黄色にしたGTR2画像があって、かなりイケてるなぁなんて。
    来年はもっとオーバーテイクがみえるといいんですが。
    最後に、・・・クル!! 
    もう・・だめ・・なのか? 
    最後までガンバ!

  2. ZEAL-R より:

    マッサァ~!!今年こそはお前がチャンプだぁ!!!(笑)
    以上、願望コメでしたw

  3. SYORI より:

    >Rest0gさん
    どうもです。地上波は見ていなかったのですが、右京さんは日本人+ヤルノ贔屓ですからね(笑)。分かりやすくて好感持てますけど(笑)、マッサは少し一皮向けたような感じに見受けられますねー。速さや安定感はかなり出てきていると思いますので、後は荒れるレース(後方スタートであったりウェットであったり)の時にどれだけ安定した結果が残せるかが、チャンプに向けての最終試験のような気がします。
    来年はスリック復活なので、コーナリング時のグリップが空力に左右されず高まると思いますので、後は付け刃のような補助空力パーツを全て無くして欲しいです。あれは美しいF1マシンというイメージを大分スポイルしていると思いますし・・。

  4. SYORI より:

    >ZEAL-Rさん
    どうもです。マッサ頑張って欲しいですね。何時の時代も新チャンプ誕生というのは嬉しいものです。最近イメージが悪い?ハミルトンも個人的には頑張ってもらいたいですけどね。今年はマッサとハミルトンのチャンプ争いになりそうな雰囲気になってきましたが、正々堂々としたクリーンファイトを最後まで見たいです。

  5. りょ より:

    フェラーリのロリポが自動化されているのを初めて知りました。
    で、昨日、地上波放送を見ながら「クビだー」とかって…
    恥ずかしい(-_-;)
    ちなみに僕の勘では、今回のGPが始まる前にフェラーリはNo.1をマッサに決めたような気がしてたりします。根拠といったら「ここ数戦、連続して明らかにライコネンより良いパフォーマンスをしている」ということだけですけど(笑

  6. たー より:

    今回は個人的にはSYORIさんとは逆で面白いレースでした。
    速い者が勝って頑張った分ポイントに反映され、トラブルに左右されないレースはドライバーの能力を見せつける感じで好きです。
    セナやシューマッハがまたおまえが勝つのかというバーフェクトレースはゲームやリアルで車を操っているとつくづくさすがプロと感心します。
    初コースでマッサのこの勝ちかたはハミルトンにとっては後半にむけて大きなブレッシャーになるかもしれませんね。
    個人的に来季の動向は大いに気になりますが、願望はハミルトン、マッサ、クビサ、アロンソのガチンコとそこに誰が噛みつけるかを楽しみにしたいです。

  7. SYORI より:

    >りょさん
    どうもです。自動化は実際昨年の日本GPから導入されていますが、色々調べてみると前後ジャッキ・タイヤ交換マン・給油マンの3部門でシステム化されてるっぽいです。ジャッキにセンサーが付いているという話もありますが、確かCSで言ってたのはスイッチを押すと言う手作業が必要だったはずです。いまは半自動になっているのかもしれませんが(例えばインパクトレンチにセンサーがあるとか、給油リグにセンサーがあるとか)。
    早速フェラーリにロリポップマン復活か、でもフェラーリは否定みたいな記事が出てるようですが(笑)、他チームがマネしてないところを見ても微妙な感じですね・。
    ちなみにこのレースでマッサをNo.1に決めていたという可能性は少ないと思いますよ。ハンガリーGP終了時点ではライコネンの方がポイントは上ですからね。今回のレースで7点差が付きましたが、まだこれではどちらをどうするかというのは難しいでしょう。
    現状ではスパ・モンツァはフェラーリ勢がタイヤ的に苦戦するだろうという下馬評なので、この2戦で2人のポイントがどうなるかで決定的になるんじゃないでしょうか。ライコネンはどうもブレーキフィールが全然合っていないっぽいですね。フロントタイヤに起因する部分なのかどうかは分かりませんが、とにかくブレーキングで苦労しているみたいです。2008年マシンの特性が自身のドライビングスタイルにあっていないのかもしれませんねー。

  8. SYORI より:

    >たーさん
    どうもです。なるほどそういう観点でご覧になられてますかー。仰る通り最後まで集中を途切らせることなく走りきる部分は凄いものがありますよね。
    それにしても今回のマッサの勝利は仰る通りマクラーレンにとってもプレッシャーになるでしょうね。ハミルトンも全然悪いレース展開じゃ無かっただけに、完全に力負けしたといった感じでしょうか。スパ・モンツァはマクラーレン有利か?と言われているだけに、この2連戦でどうなるかが非常に興味がありますね。
    来期はアロンソがどう動くのかが最大のポイントになっていそうなので、それが決まるまで大きな動きはなさそうですが、その先がホンダであれレースをかき回してくれるような存在になっていて欲しいですね。すべてはマシンのパフォーマンス次第ですから・・。

  9. yoshinori  PSNID [kokusainec] より:

    今回のレースは中嶋一貴に注目していて、アロンソとの接触には驚きました。11位スタートだったので、もしかして表彰台…(喜) なんて思っていたら15位でゴール。複雑な気分でした。
    ライコネンはピットでの事故とエンジンブローと散々でしたね。
    しかも、前回のマッサと同じような状況で…
    最終的にはマッサが勝利したことで、今後のシャンピオン争いがさらに面白くなりそうですね。
    一つ気になったのがフェラーリが昨年の日本GPから導入している『機械式ロリポップ?』システムは効果あるのでしょうか?
    私も従来型のほうがロスが少ないと思うのですが、何でもかんでも自動化すれは良いというのは違うと思うのですが。
    このシステムでセンサー(スイッチ?)がどのように機能しているかも気になります(笑)
    それから、「ミハエル・シューマッハがいるとライコネンが勝てない」ジンクスは今年も健在のようです。(笑)
    地上波放送を見ながらかなり熱くなってました。

  10. SYORI より:

    >yoshinoriさん
    どうもです。今回はウィリアムズ勢がカナダのときのように調子が良かったので結構期待してたんですが、一貴はまさかの接触で終わってしまいましたね・・。まあ意外と完走台数も多くロズベルグが8位だったので、無事完走していたとしてもポイントが取れたかどうかは微妙だったかもしれませんが。
    お馴染みイタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙では、マッサをタイトル獲得させるべき、とまで報じてましたので(笑)、スパ・モンツァの状況次第ではいよいよマッサがNo.1になる可能性がでてきたかもしれませんね。
    機械式ロリポップシステム?ですが、理論的にはこちらの方が僅かにタイムロスは少ない「らしい」です。その僅かな損失を防ぐ為に導入しているんだと思いますが、その為に大きなミスをしていてはシーズン通してみても「全く意味の無い」ものに思えますよね(笑)。
    ちなみにミハエルが今週末に居ると分かった瞬間、ライコネンの勝利は無いと確信してましたよ(笑)。

  11. torafugujp より:

    どうもです^^
    僕もやっと今日、録画していた地上波を観る事が出来ました^^;ネットとかで結果を見ないようにするのに苦労しました(笑)僕が注目したのは、一貴のアロンソに対する接触ですね~。発売と同時に11万ものチケットが売り切れになっちゃうくらいのスペイン加熱ぶりですから、殆どの観客はアロンソを観に来てるはずですもんね。「金返せ~!」ばりに、相当残念な思いをされた観客も沢山いるのではないでしょうか?もうちょっと走った後だったら良かったのかもしれませんが、いきなりでしたもんね^^;僕がスペイン人だったら、カスタネットを投げつけてたかもしれませんね(笑)

  12. SYORI より:

    >torafuguさん
    どうもです。今はネット情報が速すぎて録画を後日見るというのは非常に危険ですよね(笑)。昔はレース5日後に出るGPX誌が最速の情報源だったんですが(笑)。
    今回は2度目のスペインGPみたいなものですので、前回良い結果を残せなかったアロンソは気合入っていたと思うんですが残念な結果でしたよね、アロンソ自身も観客も。鈴鹿で琢磨が1周でリタイアするようなもんですし(笑)、そりゃお客さんも残念だったと思いますよね;;。
    しかしスペインのF1熱は本当に凄いですね。スペイン人ドライバーが昔から居なかった訳ではないのですが(カンポスとかサラとか)、当時のスペインでのF1人気は皆無といってもよいくらいでしたから。ヘレスで長らく行われていたスペインGPも観客は常にまばらでしたからね・・。その代わりWGP(2輪)のヘレスは常に20万規模で動員してたみたいですから凄まじかったです(笑)。勿論それはクリビーレなどの英雄がいたからですが。そう考えるとスペインでの英雄となったアロンソのスペイン国内での功績は計り知れないものがあるといえますねー。
    余談が長くなりましたが(笑)、カスタネットを投げつけたかも・・・に笑わせてもらいました(笑)。

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