アコードツアラー 助手席側ドア内張り 張り替え
前からずっと気になっていて放置していたドア内張りの革(合皮か本革か分かりませんが)の剥がれ。剥がれというかは内側から剥がれて中だけ浮いたような状態になっていました。めちゃくちゃ目立つんですが案外運転中は視界に入らないというのと助手席に人が乗っていたら視界から消えるので案外気にならないというので(笑)、ずっとそのままにしていました。
今回ドア内側のグリップが表面劣化していたので再塗装したのをきっかけに再びここが気になるようになってしまいました。ちなみに後部座席や運転席側は全く問題無い状態なので何故助手席側だけがこうなったのか分かりませんが、ドア内張りを外したついでに何とか補修してみようと思案してみることに。改めてこうやって写真で見ると酷いですね(笑)。ドア内張りを取り外す詳細はこちらの記事を参照ください。

外したついでに助手席側肘置きのシワもましに出来ないものかと外して眺めてみます。内側はこんな感じで糊で引っ付いているだけなのでシワが寄っている部分の際部分を剥がして引っ張りなおして再度糊で固定してみることに。
糊は3Mのスプレーのり 77を使用。さらに強力な99と悩みましたがたまたま所有していたのでこちらを使う事に。ちょうど赤で囲った部分辺りを剥がして引っ張って再度固定しなおすようなイメージです。

施工前・施工後と比較写真を載せますが、まあそれなりに目立たなくなったような感じに。ただこの作業前にヒートガンで温めながらシワを消せないかなとやってみたところ、表皮に固い折れ筋のようなものが付いてしまったのは失敗でした。
とにかくめちゃくちゃ表皮が薄くその中に2~3mmくらいのスポンジが貼られているような素材でしたのでヒートガンで熱し過ぎるとまずいかもしれません。これって本革じゃなくて合皮なのかもしれませんね。


寄り道してしまいましたので本題作業へ(笑)
ドア内張りの浮いた表皮部分を補修(再度貼り付ける)しようと思ったら該当部分を内張り本体から外す必要があると思いましたが、数箇所のネジ固定の他に写真のような樹脂を溶かして固定されている箇所が5~6か所あります。これは面倒くさい・・。
しかし外さないと剥がれ部分を加工出来ないのでどうしようか思案します。

最終的に内張りの剥がれている部分の端を剥がして、前述のスプレー糊を内部に吹き付けて貼り付けてしまおうという作戦にしてみることに。なので合皮の端を剥がせる部分だけ樹脂固定されている部分を外して浮かせてみることにします。
溶かされた樹脂部分の上からハンダゴテを当てて溶かしつつ下側へ引っ張ってやるとズボっと抜けるような感じで外せました。プラが溶けるのでめっちゃ臭いです(笑)

2か所外したらドア後方部分の内張り部分がこのように分離できました。面倒くさがらずに全部しっかり外す方が良いかもしれませんけど(笑)

このように浮かす事が出来たので、ここから表皮の端を少しだけ捲ってそこからスプレー糊を噴射出来る為のスペースを作っていきます。

最初この表皮全体を端から剥がしていったんですが、元々浮いていた部分は表皮の薄い革部分だけ。ペラペラの部分です。ベースのスポンジと白い樹脂部分に引っ付いている網目状の布とは分離している状態でした。
仕方ないので端からスポンジと表皮を強引に分離させていき剥がれた隙間空間にアクセスできるような状態にしていきます。ただ純正パンチングが本当に穴が開いているタイプのものなので、表皮を剥がしていくと当然穴の内部が透けて見えています。ここにスプレー糊を噴射して貼り付けるとパンチングの穴から接着剤がはみ出てくるのではないかなと一抹の不安がよぎります(笑)

ただここまで来たらもう後戻りも出来ない状態なので(笑)、一旦開けたスペースからスプレー糊を噴射してみます。ただスプレー糊はノズル部分に細い管を付けて吹く仕様になっておらず、プッシュする部分から直接噴射する仕様となっています。当然広範囲に広く薄く塗るのを目的としているので細いノズルをを先に付けてスプレーするような用途は想定されていません。
合皮が浮いている範囲を考えても浮かした側面全部を剥がして完全にめくった状態でスプレー糊を吹いた方が確実だと思いますが、いかんせんベースの「溶かして固定されている部分」を2か所しか外していないのでどうしても小さい隙間からスプレー糊を内部に噴射するしかできない状態でしたので恐る恐るその状態でやってみた訳ですが、やはりこうやって手抜きすると確実に失敗しますよね・・。まあ内部に上手く吹き付けることは出来たっぽいのですが、予想していたようにパンチング部分から糊が見えて白くなっています。そして内部のスポンジ自体が上から押さえて圧着する際に凹んだ状態でスポンジが引っ付いてしまい、表面を見る限り酷い凹凸が出来てしまいました。
最初の状態よりマシにはなったのでこれでいいかな・・と一瞬思いましたが(笑)こういう出来上がりが一番納得できない性格の自分にとって(笑)流石にこれは嫌な状態だなと。写真で見るとそんなに分からないかもしれませんが光の加減で凹凸が際立って見えますし糊が穴から見えて白っぽい点が無数に見えるような状態に。これは酷いもんです(笑)

ということで作戦変更です。もう使い物にならなくなった表皮を全て剥がして新たな合皮と張り替えることにします。結局この時点で溶かして固定されていた箇所を全て取り外し表皮が貼られた部品単体にします。どうせなら最初からこの状態にしておけば違った結果になっていたかもしれませんが(笑)何となくスポンジと表皮の間を貼り付ける際は上から押さえつけるといずれにしろスポンジが凹んでしまうと思われるので、表皮が剥がれたような状態になった場合はもう全部剥いで張り替えが一番早いと思いました。

裏側に固定(プラで溶接されている箇所に一緒に引っ付いている)されている防音?防振?用の布綿っぽいものを同様に溶かして外しておきます。

この写真は糊の貼り付け翌日に撮影したんですが、結局スプレー糊がちゃんと内部に行き渡ってなかったのか、もう浮いてきている箇所があるのと前述のスポンジが圧縮された状態で固定されてしまっている箇所がいくつもあり、全体的に凹凸が酷い事になっています。全部元に戻して車に装着した後にこの惨状を見たら発狂してたかもです(笑)。貼り直しは正解です。

樹脂ベースから生地を剥がしていきます。こちらも前述通り、貼り付け面は白い格子状になった布生地がベースになっていて、その上に2~3mmの黒いスポンジ、表面がペラペラのパンチング穴の合皮っぽいものが貼られた3層構造になっています。
もし当初剥がれていたのがこの状態(生地全体が樹脂ベースから剥がれていた)であれば、張り替えは不要でもっと簡単に補修出来たような気がします。結局一番表面のペラペラかつパンチング穴が開いた生地部分の剥離だったので今から思えば補修は不可能だなと・・。

剥がす前に各部写真を撮っておきました。最終貼りなおす時にどのような終端処理をしておけばよいのかの参考に。

分離完了です。速攻ゴミ箱に捨てたくなりますが(笑)、張り替え用の型取りとして残しておかなければいけません。

白い樹脂ベースに黄色い糊の跡が全体に残っていたのでまずはそれの除去から。そのままでも良かったのかもしれませんがまたここで手抜きして後から剥がれてきたとかだと最悪なので(笑)面倒ですけどしっかり除去します。パーツクリーナーを吹きかけながらボロ雑巾で拭き取っていけばキレイになりました。

そして肝心の張り替え用合皮ですが、かなり悩んだ末に「合皮レザー生地 パンチング ドット 難燃(黒)137×43cm」にしました。パンチング素材の合皮は沢山あるのですがペラペラのものが多いので、純正素材のように厚みがあるものが欲しかったんです。購入した合皮だと厚さが1~2mmあるとのことで、これでも純正よりは薄いのですがそれっぽく仕上がるかなと。ちなみに穴開きではないパンチング風のエンボス加工タイプのものです。
完璧を求めるのなら穴開きパンチング生地もありますので、こちらをチョイスするのもありかと。ただし直接貼ってしまうと白い樹脂がパンチングの穴から見えてしまうはずなので、ベースに黒いスポンジシート等を別途用意してその上に貼る必要があるのとスプレー糊だと今回の失敗例のようにパンチング穴から見えてしまう可能性があるので、黒っぽい糊みたいなもの?で合皮とスポンジシートを上手に固定する必要があるかと思います。ただ方法が分からないので難易度は高そうです。

純正と購入した合皮の比較。パンチングはエンボス加工のみで実際に穴は開いていません。開いてるもので厚みのある素材を見つけられなかったのですが、前述通り穴開きパンチング合皮の下にスポンジシートを土台にして貼り付ける方法もあるのですけど、それだとまたその部分から剥がれてくる可能性も無きにしも非ずだったのと、二つのシートを組み合わせる方法が様々な部分で難易度が高そうなのでここは冒険せず無難な一体生地で進めることにしました。ぱっと見だと穴あきも穴無しも分からんでしょう(笑)

生地の厚さ比較。純正は生地全体で見ますと厚さは3~4mmくらいありそうですね。購入した合皮は1~2mmとの表記でしたが上から押さえると結構弾力がある感じでしたのでこれでも悪くないかなと思います。

幅137cmある生地でしたが丁度半分に切って純正生地を上に置いてみたらピッタリ収まりそうです。なので運転席側と助手席側をこの商品1つで同時に張り替える事も可能かと思います。まあ運転席側は今のところ問題無いのでとりあえず半分は予備として置いておくことにします。面倒くさいってのもありますが(笑)

購入した生地の裏側はこんな感じになっています。

ということでカットを進めていきます。剥がした純正生地を上に置いて型を取っていきます。型取り時の裏表の向きには注意。逆に書いちゃうと運転席側になってしまいます(笑)。純正生地がしっかりしていますので縁取りを描くのは簡単でした。

描いた線に沿ってハサミで切っていきます。裏側がフェルトのような生地なのでカッターでカットするのは難しいかもしれません。ハサミで切るのが一番手っ取り早そうです。綺麗にカットできました。

樹脂ベースの上に置いて位置の確認。スプレー糊で貼る際に全面に一気に塗ってベース樹脂の上に置くと微調整が非常に困難になると思われたのでベース下側のラインをテープか何かで固定した上で、右側半分と左側半分を別々に貼っていくようにします。
ちょうどベース樹脂のデザインライン形状が下側から右斜め上にかけて円を描くような形状になっていますので、その境目辺りを分岐線とするようなイメージで貼っていく感じにしました。

ちょうど肘置きの窪み内部に来る四角い出っ張り部分(写真赤で囲った部分)を基準としてここから貼っていきました。糊は3Mのスプレーのり 77を使用。写真は外周の縁部分の貼り付けはまだですが右側と左側を全体貼り終わったところ。良い感じで貼れています。

裏側はちゃんと引っ付くのか不安でしたがスプレーのりだけで特に問題なく固定出来ました。何度も浮いてくるのでその後何度か圧着を繰り返しましたが。純正同様のカットを施してあるので折り返し部分の樹脂ベースの逃げも完璧です。

全体が貼り終わりました。表面に施工時の汚れを拭き取った後が付いていますが(笑)かなりキレイに貼れたかと思います。穴あき無しのパンチング柄ですが左右比べなければ分からないくらい純正っぽい仕上がりになっているかと思います。
生地の厚さが薄ければ薄いほど角部分の丸みが無くなって鋭角な感じに仕上がるかと思います。純正だとスポンジの厚みで角部分はかなり丸まった形状になっているので1~2mm厚の生地にして正解だと思います。それっぽい仕上がりになっています。

裏側。良い感じです。やり方のコツを掴めたら何でも貼れそうですね。特に左右同時に貼り替えるのであればパンチング素材にこだわる必要もありませんし。カーボン柄の合皮とかもあったので左右同時施工なら個人的にはそれをチョイスしたいくらいでした。

内張りを組付け、ドア本体に戻したところ。ぱっと見は純正とほぼ変わりません。同時にドアグリップも塗装したので気になる部分は一切無くなりました。肘置き部分のシワは数日経ったら元に戻ってしまったので(笑)、今となってはこの部分を何とかしたいですね・・

肘置きのシワ部分はまた復活してしまっているのですがここは張り替えは難しい(ステッチというか縫い目があるので)から新品に買い替える必要があるかと思います。が、まあ一旦はこれでOKにしておきます。
簡単な補修で剥がれた生地を貼り付けてみっともない剥がれを直そうと思っての今回の施工スタートでしたが最終的には大失敗から張り替えという大掛かりな事になってしまいました(笑)。
でも結果的に張り替えて良かったなと。見た目も全然違和感ありませんしキレイになりましたのでとりあえずは満足しています。運転席側(純正のまま)と助手席側(今回張り替えた分)の比較をアップしておきますが、ぱっと見はあまり分からない感じですがこうやって写真を並べてみたら色味など流石に若干違うかな?という気がしますね。まあ実際それを何も言わずに気付く人は絶対居ないと断言できますが(笑)
あとは施工時にしっかり固定出来ているとは思うのですがまた剥がれてこないことを願うのみ。まあその時はその時にまた考えるとします(笑)

