F1日本GP

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初開催となった富士スピードウェイで行われたF1日本グランプリ。 土曜日から大荒れのレースとなりましたねー。予報通り雨が降り、富士にはつきものである霧が発生し、フリー3は一瞬走っただけで中止。予選はぶっつけ本番のウェット走行となったチームがほとんどだったと思います。その中で2強はいつも通りの速さを見せ、この辺りのチーム・ドライバー双方の適応能力は流石だなーと感心しますね。その中で目立ったのがバトンの7位(スタート順位は6番手)。雨が有利と読んでいたマシン状態もありますが、バトン自身のポテンシャルを改めて見せられたなと思いました。それに比べ、まさに地元開催となったトヨタ勢は、富士スペシャルと言ってもいいくらいのマシン(5月から富士だけの為に開発されたマシン)を持ち込んだものの、フリーでは速さの片鱗を見せましたが、予選では下位に沈んでしまいました。期待の日本勢は琢磨・左近とも最後尾に並ぶという状況に・・。この辺りはぶっつけ本番となったウェット予選での適応能力がやはり経験不足だったと言わざるを得ないでしょうね。そして日曜日決勝となります。




日曜日は土曜よりコンディションが悪くなると言われていましたが、まさにその通りの状況となったようです。SCスタートとなった今回のレース、このままSC先導でレースが終わるのでは?とさえ思われましたが(笑)、レースは無事スタートを切ることが出来ました。

まずマクラーレン。天国と地獄といった二人でした。ハミルトンはクビサの接触などでヒヤっとするシーンはありましたが、トップを守りきりトップチェッカー。こういったコンディションでしっかり結果を残すというのは、もうチャンプの風格すら漂う走りでした。一方アロンソはヘアピン進入時にアクアプレーニング現象でコントロール不能になったようで、そのままクラッシュ・リタイア・・。その前にもヴェッテルとの接触でサイドを破損していたので、もしかしたらその影響もあったのかもしれません。しかしここでノーポイントだったのは致命的です・・。これでポイント差は12となりましたので、今週末の中国GPでハミルトンが優勝したら文句なしのチャンプ確定。アロンソ優勝、ハミルトン2位だったとしても最終戦で1ポイント取ればチャンプ確定なので、ルーキーイヤーで史上最年少チャンプ獲得という偉業が達成されるという状況が近くなってきました。

フェラーリは今回ライコネンが辛うじてチャンプの可能性をわずかに残す形となりましたが、ほぼ終戦でしょう。スタート時にエクストリームウェットタイヤ装着義務の臨時ルールを把握していなかったようで、2台とも通常のウェットタイヤを履いてスタートしてしまい、2~3周目でピットインし履き替えるハメになりました。もし交換前にSC解除されていたらブラックフラッグ→失格になっていたようなので、危ないところでした。しかし今回のレースでは2台のフェラーリが盛り上げてくれたと思います。マッサは最後の数ラップでクビサとの激しいデッドヒートを、ライコネンはコバライネンとの激しい2位争いを見せてくれました。

そのコバライネンがルノーに今シーズン初の表彰台をプレゼント。初々しい表彰式での笑顔が印象的でした。これで来期の残留はほぼ確定だと思われます。シーズン序盤は解雇の噂まであったコバライネンですが、中盤からはようやくマシンに慣れてきたのか結果を残していますね。フィジケラは5位入賞したものの、7戦連続でコバライネンに決勝で負けていますので、来期の残留が非常に難しくなったかもしれません。

注目はトロロッソのヴェッテルでした。予選9番手から3位まで順位を上げていて、表彰台も十分可能性があったものの、SC中にウェバーと激突・リタイアとなってしまいました・・。ハミルトンのSC中の加減速に翻弄され突っ込んでしまったようですが、非常にもったいなかったですね。ピットに戻り、壁にもたれながら嗚咽しているシーンは気の毒としか言いようがなかったです・・。しかし突っ込まれたウェバーは激怒でしたね・・。優勝も狙っていたと本人は言ってましたし、悪くても2位は確実だったと思われますので、諦めきれない状況だったと思います。マクレーカラーのヘルメットを被って出走したクルサードが4位に入った事がせめてもの慰めでしょうか。リウッツィは混乱の中8位でチェッカーを受けましたが黄旗追い越しのペナルティで25秒加算、結局スパイカーのスーティルが8位に繰り上げとなり、トロロッソは最悪の決勝でした。
しかしヴェッテルの走りは世界にアピールされたと思いますし、昨年のBMW時代も金曜日のフリーでは速さを見せていましたので、将来活躍できる時代が必ずやってきそうです。でも今回の状況を一番喜んだのはSAF1チームだったのではないでしょうかね(笑)。

SAF1チームは全く良いところがなく終わってしまいました。こういう混乱のレースで上手く走らなければいけなかったのですが、視界不良の中追突してFウィングを失った後、ペースは全く上がりませんでした・・。最後のSCが出たタイミングでピットインし、タイヤを最初のスティントで使ったコンパウンドのタイヤに交換し、そこからのペースはかなり良かったので残念でした・・。しかしそのピットインタイミングも勿体無かったです。1ラップダウンしている車が隊列の中間にいる場合、一周追い越して同一ラップに戻れるのですが、それが可能になる直前にピットインしたため、隊列の最後尾に戻ってしまいラップ遅れのままになってしまいました。デヴィッドソンはその恩恵を受けられ同一周回に戻れましたので、その時点で他車のリタイアが無い限り、琢磨が順位を上げる可能性はゼロになりました。デヴィッドソンはスロットル系のトラブルでリタイア(サイドポンツーンが大きく破損していましたが)、琢磨は最後尾の15位で完走という残念な結果で終わりました。残り2戦に期待したいと思います。

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今回初開催となった富士スピードウェイでの日本GP、レースとしては雨の要素があったため、かなりドラマの多い波乱のレースとなり、見ている側としては楽しめましたし、海外メディアでも富士の印象は概ね良かったようです。
しかし現地ではかなりの混乱があったようです。主に観客の輸送方法に起因する部分ではありますが、バスの運行に相当不備・トラブルがあったようで、帰りのバスに最後に乗れたのが21時半とか信じられないような話がありました。サーキット行きでも100名近くが決勝に間に合わず返金されるというニュースもありました。また1コーナーよりの指定席スタンドではマシンが全く見えず、そこも指定席分の返金(3億円以上)が発生したようです。
バスに関しては、乗降場所や通路が狭すぎた為に行き来が殆ど不可能だったため、満車のバスが出て行っても空車のバスがそこにたどり着けない、とか、誘導員が全然居なく案内設置も十分にされていなかったようで、並ぶ列もムチャクチャ、どこに並んだら所定の駅に行けるバスなのか、それすら分からず彷徨う方が多数居たようです。

初年度は手探り状態である事は仕方ない事ですし、バスに関しては運行上のトラブルがあることは私でも去年から推測していたことなので、来期の開催時には、この辺りを根本的に改善していかなければ絶対ダメだと思いますし、それが無ければ、今年参加した人は絶対来年は行かないでしょうし、興行費が良くなければバーニーもすぐに決断するかもしれません。私個人的には2008年の富士での状況が正念場と思っています。バーニーは基本的に現地観客の事はあまり考えていないようですので、あくまでTV放映と興行成績が良ければ満足するタイプの人みたいです。なので今回は本人的には成功したと思っているんじゃないでしょうか。ただ来年の改善が無ければ、また行きたい!と思う人はかなり少ないと思いますし、それが開催権返上という流れになりかねませんので、富士スピードウェイ側(トヨタ側)はその事を肝に念じて、来年の開催に向けて「今日から」準備を行わなければいけないと感じます。2008年が最後の富士日本GPにならないためにも。