2006年 F1 第12戦 ドイツGP

お待ちかねのSA06Aでの初戦が遂に始まりました。亜久里代表も第2の開幕戦と言っているようにここからが本当の戦いになると思います。なお、今回はSA06Aデビュー記念という事で(笑)、フリー・予選・決勝と、投稿に追記していく感じで書いていこうと思います。
(フリー1/2更新:7/29)
(フリー3/公式予選更新:7/30)
(決勝更新:7/31)


勿論今回のSA06Aはご存知の通りサス形状もツインキールのまま、フロントウィング形状もノーズもフロントセクションはSA05とほぼ同じなので、タイム的には計算どおりの数値が出ないと思いますけど、主にリアエンドの大改修でSA05と比べられないくらいの操縦安定性が出ていると思いますし、ホンダ製シームレスギアボックスによる低重心化も影響大です。良くなる事はあっても悪くなる事は無いと思います。ただしSA06Bよりは良くはならないとおもいますので(ある意味SA06AはSA05+SA06ハイブリッドマシンなので)、現実的には今回MF1を上回れば上出来と思っています。

あと怖いのが、新車故のマイナートラブルですね。決勝で完走出来るかどうか不安ですが、それまでにある程度出し尽くして欲しいです。

■フリー走行1/2

昨日のフリー1はLTモニターでずっと見ていましたが、「タイムの出方」がSA05の時よりも若干マシな気がしました。「マシ」という事はかなり良いという事ではないでしょうか。何故ならシェイクダウンを行った後、ぶっつけ本番で今回持ち込んでいるからです。
琢磨はシルバーストンのストウコーナーを使った三角形のコースを回っただけ、左近は滑走路の直線を走っただけです。そういう意味ではようやくまともにコーナーを回り、ブレーキングもハードに行い、セッティングを初期レベルに詰めていく作業を行う段階で、マシと感じたという事はかなり素性が良いマシンと個人的には思えます。フリー2では雨の影響でセッティングが進まず、2台とも油圧系トラブルが出ましたが、ある意味今のうちに出ていた方が良いでしょう。

昨日は新品タイヤでアタックを行っていないようですので、まだまだ行けると期待出来ます。よってMF1とのタイム差は特に気にしなくていいかなって思ってます。が、タイム差は今までのレースとそれほど違いがありませんので、フリー3の状況に注目です。

・フリー1
1 ブルツ 1'16.349 26周

2 デビッドソン 1'16.523 29周
15 琢磨 1'20.102 14周 +3.753
19 左近 1'21.218 21周 +4.869

・フリー2
1 クビカ 1'16.225 18周
2 シューマッハ 1'16.502 14周
26 琢磨 1'19.365 8周 +3.140
27 左近 0'00.000 2周

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■フリー走行3/公式予選

フリー3はCSで見ていたため、詳細なラップタイムを見ていませんでしたが左近が琢磨を若干凌ぐ速さを見せたため、おお!と思っていた瞬間、最終コーナーでやってしまいました・・。
オーバースピードによるものだと思いますけど、バランスを崩しマシンサイドからタイヤバリアの無いコンクリートウォールに激突してしまいました。2時間後の予選に間に合うような程度の破損状況ではなかったので予選は旧車SA05で望むことになってしまいました。マシンが無い状況なので無理をしなくても・・と思いましたが、まだドライバーのコメントが無い状況なのでミスなのかトラブルなのかは不明です。この時点でのトップとのタイム差及び直近のライバルであるMF1との差は1秒近くありますので、今までのSA05の時の状況とそれ程変わらず、といったところでしょうか。しかしマシンは明らかに安定している感じです。

・フリー3
1 クリエン 1'15.628 14周

19 左近 1'18.643 19周 +3.015
20 琢磨 1'18.668 21周 +3.040

さていよいよ公式予選。左近はSA05で直ぐピットアウトしチェック走行を行います。今までは琢磨も直ぐ出ていって走っていたのですが、今回はすぐ出ませんでした!。これだけでも今までと状況が違いますねー。多少ラバーが乗ったところでアタックをするつもりなのでしょう。5分ほど経過した時に琢磨が出ましたが、そのタイミングでスピードが1コーナーでクラッシュ。赤旗中断となりセッションストップ。琢磨はアタックラップに入る前でしたのでそのままピットイン。
再開後琢磨はなかなか出ず、残り5分位のところでようやくピットアウト。セクタータイムもMF1との比較でT1のみ若干遅れ気味でしたがT2/T3と遜色無いタイムを出し、17秒3台を叩き出す!。やはりSA06Aは明らかに速い。しかしこの時点でQ1進出は難しいタイム差でした。でも琢磨はその次のラップも再度アタックを重ねT2/T3を更に自己ベストでまとめて17秒185を刻む。順位は変わりませんでしたが力勝負で遂にMF1モンテイロを1台上回りました・・(涙)。しかもアルバースとは0.092秒差。完全にMF1を射程距離に捕らえたといっても良いでしょう。しかもSA06Aはまだ数十キロしか走っていない新車です。これからのアップデートも考えると明らかに上を行っていると思って良いでしょう。

予選順位的には下位ではありますが、順位だけでは見えない新車の性能が見て取れる予選でした。オンボード映像でもブレーキングでの安定性、ギャップの追従性が明らかに良くなっていると解説陣も話していました。川井・今宮両氏もSA06Aの素性の良さを語ってましたし、国際映像でもSA06Aを写す機会が多かったです。LTモニターでも琢磨のことをコメント表示していましたし、なんといってもピット映像でオーデットがカメラに向かってポーズを決め満面の笑みを浮かべていたのが全てを物語っているのではないでしょうか。左近と琢磨(SA05とSA06A)でキッチリ3秒ちょい速くなってますので(笑)、まあ左近の経験などの差を差し引いても2秒は速くなっていると思っていいでしょう。SAF1チームが今まで言っていた「2秒は速くなる」は本当でしたね(笑)。

・公式予選
1 ライッコネン 1'14.070 19周
19 琢磨 1'17.185 5周 +3.115
21 左近 1'20.444 5周 +6.374

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■決勝

決勝は残念な結果と終わりました。
2台リタイアとなってしまいましたが、貴重なデータは取れたと思いますので次戦ハンガリーに向けて更なる進化を進めて欲しいと思います。あと、レース中のラップが予想していたよりも速くなかったですね・・。MF1勢に比べて最速ラップで1秒前後遅かったです。アルバースを前に出してからは一気に離されましたし、モンテイロも琢磨に抑えられていた感が強かったです。T1・T2ではそれ程差が無いのですが、T3でかなり離されていました(約0.5秒)。最高速はまずまずでしたので、セッティングをこれから煮詰めていって欲しいですね。まあ、MF1はレース後車検でフレキシブルリアウィングを使っていたという事で2台失格になりましたので、実際の差はわかりにくい部分がありますけど・・。

リタイア 琢磨 ギアボックス 38周 最速LAP 1'19.413(26周目)

リタイア 左近 ドライブシャフト 1周

全体では、ミハエルの3連勝でチャンピオンシップの行方が混沌としてきましたね。見ている側としては面白い事になってきました。アロンソが連勝街道を突き進んでいた時はこんな状況になるとは思いもしませんでした。

やはりBSタイヤが性能を上げてきた(一説には今期限りで撤退するミシュランの開発スピードが遅くなったとか)のもありますし、ルノー勢のマスダンパーの使用禁止がかなり響いているという話もあります。ただフェラーリがそれ程影響が出ていないと思える好調ぶりですので、やはりBSタイヤの影響が大きいのだと思います。トヨタ・ウィリアムズなども軒並み調子を上げてきてますからね。その中でもトヨタ勢はかなり戦闘力を上げてますね。最後尾スタートのトゥルーリがポイントゲット、ドライブスルーペナルティを食らったラルフも9位でしたが、フェラーリ2台を周回遅れながらオーバーテイクしていますからね・・。非常に勿体無かったと思います。ホンダも久々にバトンが上位入賞しましたがバリチェロがエンジントラブルでリタイアするなど、相変わらず信頼性に不安を抱えています。

個人的にはアグレッシブな走りをするデ・ラ・ロサがあっというまにリタイアしてしまったのが残念でした。

2006年 F1 第12戦 ドイツGP” に対して8件のコメントがあります。

  1. ヘラクレスヒロシ より:

    更新お疲れ様です。
    また、ご無沙汰しておりますw
    先日のドイツGPですが、いつものようにランドルさんと観戦しましたw
    私はF-1に関して皆さんの様に詳しくないので、あまり内部の事までわかりませんが、ドライバー・チーム・ポイントランキングの背景などを気にして観れたと思います。
    今レースはSA06A&山本左近のデビューということもあり、日本でもかなり騒がれていましたので、期待をしていましたが、もう少しレースを見たかったですorz 琢磨もまだ走れたのではと思いましたが、マシンは無理だったのでしょう。
    前半はマクラーレンの謎のピットストップが気になりました。あれは一体・・・何だったんでしょう?
    ルノーはレース後フラビオ・ブリアトーレがミシュランの方と話していたので、タイヤ関係、またマシンのセットアップが難しかったのかもしれませんね。レースを見ている中で、コースの表面にもやがかかっていたので、表面温度がかなり高いのも因果関係があったのかと思います。そしてアロンソのペースが上がらないので、ポイントランキングの事も考え、意図的にフィジケラがペースダウンをして譲っていたのもルノーの作戦かなと勝手に想像していました。
    そして後半面白かったのが、シューマッハ兄弟対決ですw。いい年こいた兄弟がむきになってましたねw兄貴のプライドの高さたる所以でしょうかw
    あと、ラルフだけでなくトゥルーリのトヨタ勢の猛追も凄かったですね。直線が長いのがトヨタに合っていたのかもしれませんね。最高速もたたきだしていましたし。
    終わってみればフェラーリの完全勝利だったので、コンストラクターズ&チャンピオンシップポイントも詰まり、ますます今後の展開が楽しみになったレースであったと思います。
    初めてのF-1のカキコだったので、緊張しましたw

  2. HIJIRI より:

    ご無沙汰してます、HIJIRIです。
    ブログの内容とはまったく関係ないのですが、やっと目も完治したのでコメントしました。オンラインも残り少なくなりましたが、がんがん参加していこうと思います。
    今度PUSH!×3の部屋見つけましたら訪問しますので宜しくお願い致します。
    ところでSYORIさん含め、みなさんF-1に詳しいですね。私もF-1好きですが、セナが亡くなってから止まったままです。カーボンモノコックになってから死亡事故はほとんどなくなりました。なのでドライバーが、ましてやセナが(ラツェンバーガーも)事故死するとは思いませんでした。
    その年の鈴鹿GPは見に行ったのですが、セナのセレモニーでは妻ともども涙が止まりませんでした。
    ちなみに私は今でもマンセルの大ファンです。ドライバースーツ(カートの)にサインも頂きました。
    ヴィルニューヴ(パパの方)も好きですね。ウイングカー復活せーへんかなー、絶対ないやろなー。
    独り言になっちゃいましたね、すみません。
    ではまたコメント致します。レースで会いましたら宜しくお願い致します。

  3. SYORI より:

    >ヘラクレスヒロシさん
    こんばんわ、お返事が遅くなりました・・。
    SA06デビューという事でメディアの記事を色々見ていると、フリー走行前はまるでこれで勝てるかのごとく書かれていたり、決勝後は苦戦、出遅れ、とか好き放題書かれていましたね(笑)。左近はドライブシャフト、琢磨はギアボックスのトラブルだったので、修復してコース復帰は無理だったのだと思います。
    ライコネンのピットストップですが、CS放送での最後のインタビューで同時通訳していた話を聞く限りでは、Q3セッションで入れる燃料量を間違えた(少なくした)らしいですね。だから空タンのQ2タイムよりも速いタイムが出たようです。まあ結果3位でしたから結果オーライだったと思いますけどね(笑)。
    フラビオ、流石にBSのパフォーマンスを見て焦りだしているのかもしれませんね(笑)。ハンガリーでは今回禁止されたマスダンパーをルノー側がFIAに提訴(一旦認められたデバイスなので)する形で、暫定的に使えるようになるみたいです。なので、今回よりは調子が良いかと思いますけどね・・。
    ハンガリーの展開次第(フェラーリワンツーとか)では、チャンピオンシップ争いは目が離せない展開となります(笑)。またミハエルの2007年以降の動向も気になります。チャンピオンをもし今年取れば引退?という話も出てきていますので・・。

  4. SYORI より:

    >HIJIRIさん
    どうもお久しぶりです。目の方治られたようで良かったですね。無理せずプレイして下さい。PUSH部屋は常に盛況のようですので(笑)是非お越し下さい。私がいる事は少ないですけど(笑)。
    F1は日本でGPが始まった1987年から本格的に見だしたので、本格的なコアなファンという訳ではありませんけど、それでももう20年も見てるのか・・と思うと年を取ったな、って実感です(笑)。セナの件は確かに衝撃でした。丁度フジの放送が始まる前にセナがクラッシュしたというニュースをやっていたので、通常はレース前に内容をニュースでやる事自体無かったので、嫌な予感がしましたけど、それでもそれまでにイモラでのベルガーや、ヘレスでのドネリー、等々大きな事故でも死亡事故にはならないという意識があったのは確かですね・・。
    あの頃はインターネットなんて勿論ありませんので雑誌(レース終了4~5日後発売)でしか情報を得る事が出来ませんでしたが、丁度F1がハイテクデバイス全盛→デバイス禁止という過渡期であったのと、HANSシステムやコクピット回りの頭部保護がまだ無かった時代なので、今から思えばなるべくしてなったような気もします。モナコでのベンドリンガーも含め頭部への直接のインパクトが問題でしたからね(セナはサスペンションアームの頭部直撃が原因)。
    鈴鹿のセレモニーはテレビで見てましたけど、私もかなり感傷的な気分でした。ここにいないという喪失感が大きかったですね・・。
    マンセルは私も好きでしたねー。あのようなキャラのドライバーが沢山いたからこそ、あの時代のF1は面白かったと思います。ヴィルヌーブ時代は後から色々と知りましたけど、オランダGPでのアルヌーとの凄いバトルやモナコでパワースライドしながら駆け抜けて行くシーン、そしてゾルダーでの最期と・・。記憶に残るドライバーだったとホント思います。
    かなり長文となってしまいました(笑)。ついつい色々と書いてしまいます(笑)。
    また対戦でお会いしましたら宜しくお願いいたしますm(_ _)m

  5. zanavinismoZ より:

    同じく更新お疲れ様です。
    僕も、F1は、フジテレビ721でテレビ観戦をしていました。
    自分は、フェラーリ&スーパーアグリファンなのですが、僕にとって、今回のドイツGPは嬉しい結果になりました。 なんといってもフェラーリ1,2フィニィッシュでしたから。
    あと、バトンももう少しで表彰台だったのに、最後ライコネンに抜かれてしまいましたね。残念です。
    スーパーアグリにとっては、あまりいいレースではなかったですね。両者トラブルでリタイヤでしたから。
    ちょっと話が変わりますが、2007年のウィリアムズドライバーが決定したようですね。なんとブルツが2000年以来のレギュラードライバーになりましたね!
    しかし、それで、ウェバーが落ちてしまいましたね。でも、ルノーに移籍する可能性が高いようですね~。
    ウィリアムズはファーストドライバーが、ロズベルグ、セカンドドライバーが、ブルツ、サードドライバーが、クビカになる、ということのようですね。

  6. SYORI より:

    >zanavinismoZさん
    どうもです。フェラーリファンにとってはここ数戦は嬉しい結果となっているようですね。私は昔から特定のチームを応援するというよりは「日本人(ドライバー、チーム)を応援する!」というスタンスで、見続けていますので、今年ももちろん琢磨=SAF1ですよね(笑)。2004年シーズンは毎戦興奮し過ぎてかなり疲れましたので、今年は穏やかにダメで当たり前という感じで見れますからかなりラクです(笑)。
    ブルツ、ホント久しぶりにフルタイムレギュラードライバーになれて良かったですね。マクラーレンテストドライバー時代は、背の高さが災いしてドライブ不可だったようですからね。テストカーは専用モノコックを使っていたとか・・。だからデラロサにしか代役のチャンスが回らなかったらしいですからね。苦労している分、来年はトヨタエンジンを使って飛躍して欲しいと思ってます。
    ウェバーはフランクがオプション行使しなかったことから、ウィリアムズ離脱は時間の問題と思っていましたが、彼の行き先はどこになるんでしょうかね。フラビオがウェバーをマネージメントしている関係上、ルノーも無くはないですが、フィジケラ+ウェバーの組み合わせはインパクトにちょっと欠けますからね(笑)。もしルノー移籍だったとしてもレギュラードライバーでは無いと思います。ライコネンの動向(フェラーリorルノー)もミハエルの動向に掛かっていますし、まだまだ分からないですねー。

  7. zanavinismoZ より:

    修正
    2006/8/3 12:19に投稿したものです。
    ウィリアムズはファーストドライバーが、ロズベルグ、セカンドドライバーが、ブルツ、サードドライバーが、クビカになる、ということのようですね。
    クビカはウィリアムズのドライバーではなく、BMWザウバーのドライバーでした。
    申し訳ございません。

  8. SYORI より:

    >zanavinismoZさん
    クビカと聞いて、最近名前をよく見ていたので、何も考えず読んでいましたが、BMWですよね(笑)。ジャックの代わりにハンガリーGP急遽出場のようですので、それで私も名前が頭にあったんだと思います(笑)。
    それにしてもジャックの交代劇は何か変ですねー。このまま戻ってこない気がします;;

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