長崎県「池島」を巡る

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軍艦島の次は池島への上陸記です。
この島の事前情報としては、以前炭鉱があったがここも軍艦島と同じく閉山され、今ではわずかな人だけが暮らしている、それと「ネコが多い」くらいしか知っていませんでした。自分はネコを飼っているので沢山島内にネコが居るのは良いなと思い、コンビニで小さいカリカリの餌を買っていき、島で見つけたらちょっとあげようかなというくらいの軽い気持ちでした。

行き方としては3通り(神浦港・瀬戸港・佐世保港から)あったのですが、長崎市内に泊まったので一番近い神浦港から行くことにしました。フェリーはクルマも積めるものが1日1本だけ運航しているのですが、それに乗っちゃうとその日に戻れない(違う港へ行くなら可能?)ので、クルマは港に置いておいて人間だけで行くことにしました。
行った後から色々と知ったのですが、炭鉱跡へトロッコに乗っていくツアーなどあったようなのですが、前述通り事前調査を殆どしていなかったので勿論船で島へ行くだけで、後は何もありません(笑)。ゆっくり巡って疲れたら帰ろうという感じでした。




神浦港を出発。この時に乗ったのはたまたまクルマも載せられるフェリーでした。2~3台ほどクルマに乗ってきた人が居てました。1台は観光客っぽかったですが、それ以外は地元の人でしょうか。

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時間にして20分ほどで島に近づきます。
渡航費?も片道400円ほどだったのでリーズナブルです。

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港に着いたら上陸です。
載せられていた車はあっという間に走り去っていきます。歩きの人も数名で寂しいものです(笑)。港の入り口に黄色いバス(ハイエース)が止まっていて、料金100円と書かれてましたが、どこに行くのか分からなかったのであえて乗りませんでした。
港についてすぐ見えましたが、比較的新しいように見える団地的な建物が多数見えます。ここには人が住んでいるのでしょうか。洗濯物がわずかに見えるので恐らく住んでいるように見えますが、殆ど空き家のように見えます。

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団地内の通りを歩くと前に朽ち果てたスクーター。紫外線と潮風、もしかしたら波の高い時の海水に当たり続けここまでボロボロになったのでしょう。
ぱっと見はホンダの初代Dioに見えます。朽ち方と車種からこの島の歴史とどの時代に活気があったのかを感じさせるなと思いました。

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少し歩くとこのような置物が。
後から調べましたがブイで作られているようです。当時この島に住んでいた子供さんが作ったのかなとも思いましたが、くまモンも居るので定かではないです。しかし人の気配をほぼ感じない場所でこういうものが置かれているのも色々と考えさせられました。

ちなみにこの辺りにレンタル自転車(電動)屋さんがあると島マップに書かれていたので、借りたい!と思ってたのですが、「定休日」という無情な看板が(笑)。仕方ないので歩く事にしますが、日差しもきつく暑かったのでかなり体力的に厳しそうな予感です。

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もう動かない室外機でしょうか。

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炭鉱跡ツアーに行くトロッコなどが置かれている場所へ。
ツアーがあるのか分かりませんが、人っこ一人いませんでした・・。

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とりあえず暑くてたまりませんが歩きます。
トロッコはこの中へ入っていくのでしょうか。

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そのまま歩き続け色んな写真を撮ります。

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船に石炭を乗せるクレーンとかでしょうか。

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暫く道なりに歩きますが行き止まりになりました(後から調べたら行き止まりではなかったようですがw)。閉山したのが2001年とのことなので、今から17年前。軍艦島に比べると最近と言えば最近ですよね。九州最後の炭鉱だったようなので、朽ち果て方も軍艦島よりは遥かにマシではないかなと思います。ただこうやって操業の音もせず、人の声も一切せず、ただ静かに動きを止め朽ちていくのを待っているような光景。昔はここに沢山の人が居て活気があったのだろうと思うと寂しい気持ちになりますね...。

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とりあえず道を引き返し違うルートを歩きます。
そういえば今のところネコは1匹も見ないな・・と思ってましたが、建物近くにおくつろぎのネコちゃんを発見。

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ここは銭湯前。暫く持ってきたエサを与えつつネコと戯れてたら、中からおばさんが出てきてたので、お声を掛けさせて頂き色々とお話させてもらいました。昭和45年にここに来て島を見てこられた方でした。一時は1万人近い人がこの島に居た事、今ではもう150人くらいだからネコの方が多いよと言ってた事(笑)、100円やからお風呂入ったら?と誘われたこと(笑)。めっちゃ入りたかったのですが、着替えも何も持ってきて無かったので泣く泣く諦めます。
面白かったのは、さっきの写真左側に小さく映ってるヤギ。島内に何匹か柵に囲まれてヤギが居るのは見てましたが、島の草を食べてもらおうと持ってきたのに、草を運んでこないと食べてくれないと言ってました(笑)。またこの子ヤギが1週間くらい前に生まれたばかりだったらしいのですが、それがメーメーうるさいんよ~っておっしゃってました(笑)。
ちなみに島内のネコには皆さんで餌をやってるそうで、このおばさんも大きなネコ餌(ドライフード)を持っておられました。またネコはちゃんと本土から避妊手術をするために先生がたまに来て、島内で処置されているみたいです。

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再び歩き出し団地界隈を歩くとそこら中にいるいる。ネコだらけです(笑)
でエサを取り出し地面にしゃがむとアチコチから寄ってきます。写真に写ってないですが、周りも含め全部で12~3匹はいたんじゃないでしょうか。

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休憩しつつ餌やりも終え、何時までも遊んでたら見学出来ないなと思い立ち上がりつつ、後ろを見るとワサワサといてます(笑)。ネコ好きな方がここに来られる理由が分かった気がします。

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ここから島内を本格的に歩きます。
稼働を停めた様々な建物が並んでました。無音の中、風の音と遠くからの波の音だけが静かに流れていきます。

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松島炭鉱株式会社 池島鉱業所の文字。
恐らくここが入口だったんでしょうね。今では進入する術もないほど草木が覆い茂ってます。

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このままこの道を歩いていけば島の半分くらいまで来る事になり、殆ど廃墟となっている団地群などがあるようなのですが、徒歩では限界だったのでこの辺りから引き返す事にしました。
ただ同じ道を戻っても面白くないしどうしようかなと思って周りを見渡すと、下の方に住宅群が見えます。ただ人が住んでる気配が殆ど感じられないので、この辺りを通りつつ戻っていくことにしました。

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急な細い坂道を下っていくと住宅が見えてきます。
後から聞きましたが、この辺りはこの島に元々昔からずっと住んでた人達がいた集落のようでした。ただ明らかに人が住んでいるような気配は感じられず、草木が綺麗にされる事なく伸び放題だったから、恐らくここも無人に近いのかなと思いました。
ただ居住されてるかどうかは表側からは判断できないので、勝手に中へ入るとかは勿論せずに通路をただ歩きながら写真を撮っていきました。

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この辺りは完全に無人だと思います。

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230円のマイルドセブン。値段も名称も時代を感じさせます・・

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旅館「美松」と書かれてます。当然経営もされておらず無人でしょう。

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スナック「千代」と書かれてます。
この界隈はスナックなどの飲み屋さんが数軒あったので、炭鉱マンが疲れを癒しに集ってた場所なのでしょうね。

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ここも何かがあった場所だと思います。
何かはわかりませんが・・(後から調べたらパチンコ屋っぽい?)

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暫く下りながら見てましたが、人が住んでる気配は感じられません。

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郵便ポスト。
比較的綺麗に見えましたが集荷には来ているのでしょうか。
ただ眼下に見える住宅は綺麗に見えるので人が居るのかなと思うのですが、近くまで行くと「あーここも住んでないなあ」という感じで、人の気配は未だ感じられませんでした。

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ここは商店街だったのでしょうか。
お店らしき建物跡が何件かありましたが、人の気配はゼロ。通りすがりの人もいませんし声も聞こえません。シーンとしています。この置物が目に入った時「誰かいる?」と一瞬ドキっとしました(笑)。

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散髪屋さん。理容「まえかわ」と書かれてます。「閉店のお知らせ」と書かれた紙には、去年4月まで営業されていたとのこと。ずっとここで頑張って来られたんだなあと思うと寂しくなりますね。
書いてある言葉を見て、この扉を沢山の人たちが通ってたんだろうなと、その時代の風景が頭の中に蘇るようでした。

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I feel Coke.
このポスターは朽ちて崩れた壁の中に見えました。時代を感じさせます。

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歩いていくとガラス戸の建物が。
中は無造作にモノが置かれてましたが、そこに1台のスクーターが。YAMAHAチャンプRSのマルボロカラー。懐かしすぎる・・と思い思わず写真を。
自分が高校生の時に友人が乗ってたバイクです。そして自分もチャンプに乗ってました(笑)。なのでもう30年くらい前です。今このバイクをまた見れるとは思いませんでした。

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全ての時間が止まったかのような景色がずっと続きます。
この時、1軒だけ家の中から声が聞こえるところがありました。人が住んでるところがあったんですね。
銭湯のおばさんに話を聞いてたところ、高齢者は殆ど病院に入ってるから、あのあたりの家は殆ど住んでないのではとのことだったので、なるほどなと思いました。

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ようやく最初の団地のあたりまで戻ったのでネコはまだいるのかな?と覗いてみたら、まだおくつろぎでした(笑)。

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島内にあったショッピングセンターの文字。
何か売ってるのかなと思い入りましたが、何かを売ってるような感じではありませんでした。
(ちなみに島内には自動販売機は何個かありますので、飲み物に困る事はなさそうです)
入った瞬間目の前に貼られたポスターに再び時代を感じさせました。Winkとかさっきのバイクと同じくらいの年代ですし。シャ乱Qも若い・・

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昔の活気があった時代の池島でしょうか。
小学校も今では数名しか子供がいないそうですが、多い時は1000人以上が通ってたそうです。
花火もあり、皆さん活気があったんでしょうね。
炭鉱で勤めてる方の給料はかなり良かったみたいなので、労働はきつくても生活にゆとりがあり、また小さい島なので島民の団結力というか、地域ぐるみという繋がりというか、今の時代よりきっと皆さんが気持ちよく暮らせたんだろうなと写真を見て感じました。

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ネコちゃんはホント沢山いますね(笑)

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海岸沿いにあったタイヤとホイール。これも年代物じゃないですかね。

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ここから九州本土の出発点の港が見えます。

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この後船を待ち、港まで戻りました。
船の待合室外でもネコが気持ちよさそうにしてました(笑)。

余談ですが、前日にこの島に俳優の市原隼人が来られてたみたいでした。写真を撮りに来てたとか。

待合室で話しかけてこられた老夫婦。おじいちゃんは定年までこの炭鉱で働いていたそうです。今はこの島じゃないところで住まれているような感じで、今日はたまたまここに来られてたみたいな感じでした。周りに見える島にも炭鉱ルートが通ってて、物凄い距離が海底にあるとお話されてました。

この島に住んでいた方は、閉山してから17年なので、当時子供だった方も今は私と同じような年代の方や自分より年下世代もいるのかもしれませんね。自分の故郷がこのような感じになっていくのはきっと寂しいだろうなと。自分が仮にこの島出身ならそう思いますしね。
軍艦島は長崎市が管理すべき世界遺産指定(といっても一部ですが)されましたが、この第二の軍艦島とも言われている池島はまだそのような動きもなさそうですし、このまま時間が経っていけばどんどん思い出の場所が朽ちていってしまうんでしょうね。

島にお金を落とすような仕組みというか、観光地化というか、何か出来ればいいんでしょうが、そう簡単にはいかないのかもですね。実際現地でお金を使いたくても使える場所もありませんでしたし。

石炭というと蒸気機関車を動かすのに使うというイメージしかなかった自分ですが、子供の頃にはもう機関車は殆ど走ってませんでしたし、そんな時代を支えていた炭鉱。軽々しく言える立場ではありませんが、こういう時代を感じさせる場所が、将来少しでも残っていけばいいのになと、実際島を巡って改めて考えさせられました。
始めはネコを見に行こうかみたいな気楽なノリでしたが(笑)、実際現地に足を運んでみて、改めて色々な事を考え、想いを巡らせる道中でした。そして個人的には軍艦島よりも印象的な場所でした。

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ありがとう、セナ