GT世界からリアル世界へ

    13


GT4オンライン終了の投稿で少し書いていた、【GTを通じて、才能溢れる若者をレース界に送り出す】という可能性と現状。このことを近日中に語ります、と書いて放置していましたので(笑)書いてみました。
私自身4輪よりも2輪での活動の方が経験も多い(あくまで草レースレベルでの話ですが;;)ので、これから書くことは私の妄想的な部分も多々あるかと思いますが、決して想像の世界ではないと思ってますし近い将来このような事が本当に起こると願いたいです。またバカみたいに長くなってしまいました(私は文章を短く簡潔にまとめる才能は無いようです;;)ので、「仕方ない読んでやろうか・・」と思う方がおられましたらどうぞ宜しくですm(_ _)m




私の周りの友人などは「実車とゲームは違うで」という人間が圧倒的です。言い換えれば、ゲームで速かったとしても実際にクルマをサーキットで走らせれば恩恵は無いという事だと思います。確かに私も過去にはそう思っていました。
過去に殆どのゲームハードを手に入れ、殆どレースゲームばかりやってきた私です。ファミコンやスーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブ、セガサターンなどなど・・。その頃のレースゲームといえば上空視点からカクカク車を動かすとか(笑)擬似3Dにはなっているけど挙動とかそういう次元以前の内容のものが殆どでした(まあそれでも楽しかったですけどね)。そのレベルだと恩恵なんて確実に無いでしょうし、それで「俺は間違いなく現実でも天才的なドライビングレベルを持っている!」とか思ってたらちょっとヤバいですから(笑)。

そしてこの頃に初代GTが発売され、さらにPS2でのGT3がGTFと一緒に発売されてきた頃から様子が変わってきたように思います。勿論PCレースゲームのシミュレーション精度も飛躍的に向上し、凄い挙動再現を持つソフトが沢山世に出てきたというのもありますよね。
例に漏れず、私もGTシリーズの虜になり、GT3からはGTFも購入、GT4ではアテンザTAと時期を同じくしてGTFP導入、本格的にコクピットを作って走りまくってきたのはここをお読みの皆さんも存じていることでしょう(笑)。コースシミュレートが凄い精度で実現されているので、実際に走った事の無いコースを、まるで何度も走りこんだかのように頭の中にイメージ出来るようになってきますよね。そしてこのことはGT4バイブルの山内さんと日産テストドライバーの加藤博義さんとのニュルの話を読めば、実際にコースに出た時の「役立つイメージ作り」になることは明らかだと思います。

この頃から、例えば私が一度もリアルに走った事のない筑波サーキット等を実車で走らせたら、実際にコースで走り込んでいる人と比べて、クルマなどをイコールコンディションで比較したとして、どれくらいのタイム差が出るんだろうなぁって思ったりしたことがあるのですが、オンライン最終日の山内さんの話を聞いていると、筑波を走ったことの無い人よりもある程度走れてしまう気がしますよね(笑)。私がサーキットを走っていた(といってもクルマでは僅かですが)のは初代GTが出る前だったのですが、その時に録画した車載映像を今見ると、もっとこのコーナーで攻めれるだろ、とか、結構速く走れる気がしてなりませんので(笑)。


ただ上記で話しをした「役立つイメージ作り」以上の部分を更に求めようと思えば、もっと違う部分でGTに対する要求が高くなると思います。
まず一つに鈴鹿でお会いしたC.1さんもおっしゃってたブレーキング挙動です。昔TI(現 岡山国際)で感じましたが裏ストレートエンドで200km/hくらいからのブレーキングは、多少の強化程度では止まる気がしませんでした(笑)。当時のS13はR32の4ポットキャリパー+ローターを移植してパッド変更程度の強化でしたが、止まらない~~っていう感覚から100km/hくらいまで落ちてようやく減速感を感じるくらいような感覚でした。これは視野角や身体で感じる感覚の有無なのかもしれませんが・・。
また、踏み込み加減や車体の荷重次第では速攻ロックしてしまいステアも効かずに、真っ直ぐランオフエリアへ一直線・・・とか結構ありますからね。ブレーキングは実際にはかなり難しいと思います。GT4では床まで一気に踏み込めば、物凄い減速をロックすることなく実現してくれますので、この辺りが実車との違いですし、この辺りをリアルにシミュレート出来れば実車でのスキルアップに繋がると思います。
実際、オンラインで参戦されたプロドライバーの動画を見てもブレーキを非常に繊細に調節しているのが良くわかります。アレこそが実車でのブレーキングの本当の難しさを表現しているのだと思います。

また車の挙動自体も色々な意味では良いのですが、個人的にはもう少しリアリティが欲しいかなと思います。例えば、FR車だとコーナー中にパワーオーバーでリアが出てきた時、これがドリフト等をやりにくくしているのでしょうが、ホイールスピンしていても前に押し出す感覚が殆ど無く、どんどん内側に巻き込むような挙動といいましょうか。これは明らかに違うと思います・・。
また私自身はFFに乗って攻めたりした経験が殆ど無いのですが、GT4では明らかに強アンダー傾向で、アクセルを抜かない限り向きを変えてくれない曲がりにくい車、というイメージしかないのですが、FFをよく知っている方々は、挙動はこんなのではないとアチコチで見たりします。


この辺りはどんな層に向けてモノを作るのか?という方向性もありますし、ある意味商売なのですから偏った層にだけ特化したソフトがベストセラーになる事は難しいでしょうから、簡単に答えが出ない難しい問題でしょう。が、あえて言えば操作を難しくするであろうレベルの部分を、ある程度盛りこんでいけば、必ず若い世代からGT出身のプロドライバーが出てくる気がしてなりません。
というのは、私のような30代の人間は実車を経験してからGTを経験して方が多いと思いますが、免許を持っていない若い方はその逆になりますよね。だから私などは「実車の挙動イメージの上にGTがある」という感じなのですが、免許を持ってない10代の子は「クルマの挙動のイメージ=GT」になっているんだと思うんです。なので順番が逆になると、

私など実車経験から入った場合
 GTをやってみて
 ・おお、結構実車に近い挙動だなー、でもちょっと違うかなー

GT経験のみから実車を経験した場合
 実車に乗ってみて
 ・GTではこう出来たけど、実車では出来ないのかなー?

となります。これってよく考えたら結構危ないと思いませんか?(笑)。出来ないってカラダで理解した時には時すでに遅しってこともあり得ますよね・・・。だからGTでの挙動を更にリアルにすることで、実車に本当に乗ったときのギャップが少なくなるのにな・・と思っています。
また限界挙動を実車で経験するのは色んな面でかなり難しいです。クラッシュしても大丈夫なレース専用車と潤沢な資金があれば問題ないでしょうが、なかなかそんな方いませんよね(笑)。恐る恐る走っていってだんだんとコーナリング速度を速めたりブレーキングポイントを遅らせていくという作業はGTと同じですが、走行時間も限られてますのでイキナリ直ぐに限界走行なんて出来ないと思います。となると何度も日程を組んで走らなければいけないのですが、一回走るだけでも万単位のお金が要りますし、タイヤ代・メンテナンス代・消耗品代とか考えると、ただ走行会に参加していくだけでも結構な費用になります。一度でもクラッシュなんかしたら、程度にもよりますがそれだけでも十万単位のお金が消えていきますしヘタすれば自身の身体にも影響(怪我)を及ぼす場合があります。
そうなってしまうと、車を速くするための費用ではなくて元に戻す為の費用という非生産的な状況になりますから、クラッシュを恐れて限界走行をしにくいというのはお分かりになるかと思います。勿論リスクを恐れていれば上達は少なくなりますが、現実的に考えれば厳しいものがありますよね・・。

しかしGTならインラップから限界を超えた走行もへっちゃらですし(笑)、300km/hで壁にぶち当たってもクルマは壊れませんし、身体もキズ一つ負いません。当たり前のことではありますが、これが現実的に近い挙動を示すものであればあるほど、凄い可能性を秘めていると思います。ウチの5歳のチビもたまにGT4をやっていますが、GTマシンとかで走っているときとかリアが流れたら無意識的にだと思いますがちゃんとカウンターを当てるようになってるんですよ(笑)。子供の吸収力って凄いですし、理論よりも身体でどんどん覚えていきますから、この時からこんなリアルなシミュレーターがあれば将来どうなるんだろうって思いますよね。


サッカーの世界でも若手発掘の為の環境作りを急務(次世代の才能ある子の発掘)にと記事で読んだことがありますが、それはレース界でも同様かと思います。むしろレースの世界なんてもっと閉鎖的なところだと思いますし、世間の理解度もメジャーなスポーツ全般に比べたら相当低いと思います(それでも昔に比べたら大分変わってきましたが)。
だから親が強制的にさせるという状況以外で自らレースをしてみたいと思う子供なんて殆どいないでしょうし、スピードを競う機会も少なくなってくる、小学校の運動会で順位をつけなくなったという風潮からも、アイツよりも速くなりたい・アイツに勝ちたいという意識を持つ事自体が今の時代は希薄になっているのかもしれません。だから自分の持って生まれた才能に気付かないままオトナになっていく人が沢山いるんではないでしょうか。そうだとしたら、もったいない話です。

そんな中、例に出して申し訳ないのですが、YAMさんやC.1さんのような才能溢れる人間を発掘することが出来る「GT」という世界が、今の時代に存在する訳ですから、

 ・挙動を追求して、現実にも応用できるドライビングスキルの向上
 ・その中から出てくる、才能ある人間の発掘
 ・その人間のステップアップを図れる環境作り

という部分の土台が将来出来上がっていけば・・と思っています。
しかし今の現状だと、GT→実車にステップアップしたときのギャップがまだ小さくないと思います。それは前述の挙動の面は勿論のこと、現実のシフトチェンジであったり3ぺダルの扱いだったり、Gの有無でしょうか。Gに関してはどうしようもありませんが、それ以外はやろうと思えば実現可能ではないかと思っています(製作者側ではないので好き勝手いってますが;;)。

佐藤琢磨も19歳くらいからカートを始め20歳でSRS-Fに入校するまで4輪レースの経験は殆ど無いわけですから、それでも僅か4~5年でF1まで登りつめたんですからね。アラン・プロストも18歳の時にサッカー選手になるかプロドライバーになるか悩んで、そこから本格的にレースの世界に入っていったという経歴もあります。
だから小さい時からリアルなシミュレーターで特訓を積んできた子供が沢山出てきたら凄い事になるとは思いませんか。実際本山さんがGTを使ったこういう活動を始めているようですし楽しみですよね。勿論それまでGTをやったことの無い10代の若い子達でも、琢磨の例を見れば十分可能性があるわけですから、そういう人たちに自分の才能を気付かせてくれるような「未来のGT」を長い目で期待したいと思っています。